「惚れさせ屋」佐野玲於 (ページ21)

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stage 21 ページ21

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私に身体を預けて目を閉じる彼はまるで、遊び疲れた子どものようで

よしよし、と撫でた髪も思ったより柔らかくてふわふわしてる

色んな色に染めてるのに傷んでないの羨ましい

玲於「 … んん、」

「佐野さん、私そろそろ帰りますね？」

玲於「ん … やら」

暫くすると腕がジンジン痺れてきて、限界だ。

気付いたら日付も変わってたしそろそろ帰らないとまずい。

取り敢えず終電は諦めてタクシーでも呼ぼうか

その前にこの大きな子どもをなんとかしないと。

酔っ払ってて「だ行」が全部言えてなくて可愛いし。
ほんといちいち母性くすぐってくるな、この人は

「スマホスマホ … っと、きゃ！」

鞄の中の奥に入り込んでしまっていたスマホを探すために、手探りで探していると

急に私が前屈みになったからか、今度は私の太ももの上に頭が落ちてきた。

これはいわゆる、膝枕ってやつですか

玲於「 … 帰んないで、」

弱々しくそう呟いた彼は、私をまっすぐ見つめた

こんな風に甘えられたら私 … 放っておけない

「 … じゃあ、もう少しだけ」

せめて佐野さんの酔いが覚めるか、眠ってしまうまではここに居てあげよう

明日になったらきっと忘れる

こんな風に甘えたことさえ覚えてないんだろうな

なんて、暫くそのままでいたらいつの間にか私も眠ってしまった。

…

朝、気付いたら周りは明るくなっていて

一瞬知らない部屋にびっくりした。そうか、ここは佐野さんの家だった

玲於「起きた？」

「あ、ごめんなさい … 私まで寝ちゃった」

玲於「いーよ、身体痛くない？」

「大丈夫です … 」

なんでそんなに普通なんだろう

私がここにいること、昨日のこと、何も聞いてこないけど … 覚えてるのかな？

それとも日常茶飯事とか？

玲於「何もしてないから、安心して」

「いや、そうじゃなくて … 昨日の事覚えてます？」

玲於「え、俺なんかした？」

「 … いえ、何でもないです」

覚えてないのなら、それでいい
寧ろ、気にしてないんだったら好都合。

自分でも何であんなことしたんだろうって思う

玲於「で、どうする？俺昼からだけど。赤城さんは？」

「私は帰りますね、長居しちゃったし」

玲於「え、帰んの？メシ作って欲しいんだけど」

「え … 」

佐野さんはいつも、私の想像を超える事を言う

料理なんてそんなに得意じゃないのにな

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