「惚れさせ屋」佐野玲於 (ページ20)

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stage 20 ページ20

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何故か来てしまった、佐野さんの部屋

飲み直そうって言われて断る理由も見つからずついて来たけど …

よく考えたら私たち2人きりだし
家に上がるって、もう何かあってもおかしくない

玲於「その辺、適当に座ってて」

“ 佐野さんを惚れさせる ” という目的での進展はめちゃくちゃ早いけど

私は順番を間違える事だけは嫌だった。

簡単にカラダを許してしまったら、都合のいい女になるだけなのは分かってるから。

だからそういう雰囲気になったら … 阻止しないといけない

「明日、お仕事なのに平気ですか？」

玲於「うん、どーせ昼からだし」

コトン、とテーブルに置かれたのは度数低めのお酒でちょっと安心する。

さすがの私でも泥酔してたら何も考えられなくなるからね

プシュッと私の分まで缶を開けてくれる佐野さん

やっぱりこういう所優しかったりする。

玲於「ん、乾杯」

「乾杯 … 」

私よりそんなにお酒が強くない佐野さんは、一口飲んだだけでも幸せそうに笑った

ふにゃんって、笑ってる。

同い年だけど可愛いって思っちゃう

玲於「赤ちゃんはさぁ、俺らと仕事してたのし？」

「もちろん、毎日元気もらってますよ？」

玲於「へー、よかったよかった。ふふん」

「 … だいぶ酔ってますね？」

ソファに座って、横並びで。私の隣にいる佐野さんは私のことをじっと見つめては微笑む

こんな顔見たことないから戸惑う私

いつもスマホでゲームしてて、そんなに目も合わせたことないのに

「 … え、あの手」

玲於「はー… ねみぃ、」

そっと、さり気なく手首掴まれると次第に佐野さんの頭がこちらに傾いてくる

「ねみぃ」と言いながら欠伸して、そのまま私の肩にもたれかかってくる

なんだろう、この状態。

「 … 寝室、行かなくて良いんですか？」

玲於「じゃー運んで」

「いや、それは無理ですって」

玲於「んふ、でしょ」

お酒のせいでちょっとだけ甘えん坊になった彼は、いつもに増してワガママだ。

よく噂では聞いていたけど、彼が酔っ払ったら誰彼構わずに絡む … らしい

私じゃなくても、良かったってこと？

そんなの、私だけ変に意識してるなんてずるい

明日になったら覚えてないんでしょ？

「 … よしよし、甘えん坊さん」

だったら、いいよね？

お酒のせいにして全部忘れてくれるなら

私は甘える佐野さんの髪を撫でてそっと抱きしめた

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