「 惚 れ さ せ 屋 」佐野玲於

stage 6 ページ6

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昨日の私は何を思ったか

“ 次の新しいターゲットは 佐野さん ”

なんて考えてしまったのだ。


社員の分際で所属タレントを落とそうなんて考え
自分でもなんて恐ろしいことを思い付いたんだろうと思う。



でも、私の悪い癖

一度思い付いてしまったら 閃いてしまったら
“ チャレンジしてみよう ” って好奇心が疼き出す



例え相手がどんなに手強そうだとしても





玲於「 … あの、」

「 はい？」




これからどうやって彼にアクションするかを悩んでいると

タイミングよく佐野さんから話かけてきた





玲於「 … ペンを、貸して下さいませんか 」

「 ふふ、どうぞ 」






胸元のポケットに刺さってたボールペンを彼に渡すと、小さく「 ありがと 」なんて言って台本になにかを書き込んでいる


ちゃんと会話したの、いまが初めてかも。

一対一で話したこと あんまりないから新鮮だ





「 頑張ってますね、佐野さん 」

玲於「 書いとかないとね、忘れちゃうから 」






… 思ってたより、塩じゃない

ふざけたりワガママ言ってる時は高校生みたいだけど、お芝居の仕事の話をする時は真剣で

しっかりしてるんだな、なんて感心した






玲於「 ん、ペンありがとうございました 」

「 ふふ、いーえ 」





ちょっとだけ可愛いな、なんて

思っちゃったり … しなくもない。



困ったな、本当に
佐野さんの事もっと知りたくなっちゃった

彼が私に興味持ってくれたら、どんなだろう。

彼女が居るのに気になってくれたりするかな






「 … きーめたっ 」


隼「 ん？何を？」

「 ちょっと、今後の課題です 」





私が勝手に決めたミッション

“ 佐野さんを惚れさせる ”



メンバーからも評判イマイチの彼女から
彼の近くで仕事してる私が略奪したら面白そうじゃない

なんて思ってる私は相当な悪魔かも


別れさせ屋、じゃなくて

私はあくまで惚れさせ屋




隼「 Aちゃん本当仕事熱心だよね〜 」





いつもみたいに、男心をくすぐって

ちょっとだけずるいやり方で ときめいて貰わなきゃ


佐野さんの取り扱い説明書があったら良いのに

そしたら簡単に攻略できるでしょ？






「 隼くんの方が、いつも頑張ってて凄いですよ？」

隼「 え？あ、オレ？え〜めっちゃ嬉しい♡」




いつもと違う呼び方してみると、佐野さんビックリしたのかチラッて私のこと見るの




案外単純だったりして 、佐野さん。








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