# k.r ページ21
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プツッと切れた電話
ツーツーという機械音が流れる
受話器越しに聞こえた、男の人の声
Aは家主の前で 俺の電話に出たらしい。
涼太「 … 誰なん、ほんまに 」
俺と話してる最中にも、Aに手を出していたのか時々小さく声を漏らしていたA
何やってんねん … こんな時に
今夜もまた、誰かも分からないそいつの元にAが居るのだと思うと頭が痛くなる。
イライラする
Aが誰かの手で汚れていくのはどうしても許せなかった
そんなんだったら俺が … って。
涼太「 あぁ、もう … 」
何をするにもAの事が頭から離れないし
Aを縛り付ける相手に苛立ちを覚える
さっきの電話で、もっとAへの拗れた愛情が加速しないといいけど
* * *
結局、あれからずっとAからの連絡はなかった
いつも比較的に返ってきていた返事も途絶えた
大丈夫なんやろか、って不安になる。
今日も仕事だから、気持ち切り替えなきゃいけないってのに
玲於「 … はよ 」
涼太「 ん、おはよ 」
メンバーがだんだん揃ってきて、珍しく玲於は俺の隣に座ってきた
そしておもむろに口角をニヤリと上げて俺のことを見ていた
いい事があった … というよりは、何か悪戯をした子どものようだった
玲於「 涼太くんの言う通り、ちゃんと外に出られないようにしてきたよ 」
涼太「 あー… Aちゃん?リード付けたの?」
玲於「 まぁね。ちゃんと縛り付けてきた。ほんとはそんな事したくないけど … 仕方ないよね 」
まぁ、勝手に外に出たりして 事故にでも遭ったら大変だしね。
でも玲於のマンションから出て行くとなると … 階段とかエスカレーターを使わないといけないのに
今までどうやって外に出ていたんだろうか
玲於「 ねぇ涼太くん。自分が言ったこと … 後悔しないでね? 」
涼太「 え、何のこと?」
玲於の目は、至って真剣だった。というより、まっすぐ俺を突き刺すような視線で見つめていた
何のことを言っているのかは分からなかったが
玲於は満足そうに微笑んでいた
玲於「 ふふん、まぁ … そのうち分かるよ 」
そのうち、玲於の言葉が理解できるようになる、という事なのか
けれど俺に向けられてる視線がいつもと違うように感じる
まるで俺のことを軽蔑してるような、そんな表情だったから余計に怖くなった
俺の中で何かが、引っかかっている
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ebichan(プロフ) - RAZU .さん» 本当ですか?嬉しいです、、、 (2019年6月22日 6時) (レス) id: 88c81ce664 (このIDを非表示/違反報告)
RAZU .(プロフ) - 今更ながらにものすごく素敵で涙が止まらないお話でした、、(TT)原曲もとても大好きで、玲於くんと涼太くんという組み合わせも好きなので私にとってぴったりのお話でとても読みやすかったです(TT) (2019年6月22日 2時) (レス) id: 018a2a124c (このIDを非表示/違反報告)
ebichan(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます!泣いてしまったなんて、、、嬉しいです! (2018年10月20日 18時) (レス) id: 88c81ce664 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 読みながら泣いてしまった。最後どっちとも離れるという展開がまた切なくなっちゃいました。切ないけど、面白かったです。 (2018年10月20日 18時) (レス) id: 697070514c (このIDを非表示/違反報告)
シーザー(プロフ) - とても面白かったです!!感動をしました!! (2018年6月14日 20時) (レス) id: 5e784ada86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えびちゃん | 作成日時:2018年4月16日 1時