◇ ページ44
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『……ごめん、困らせた。
この話やめよっか』
難しい顔をする彼に申し訳なさが込み上げてきて、言わなきゃよかったって後悔した。
咄嗟に謝って話を切り上げる。
海青くんが悪いんじゃない。
純粋な好意で言ってくれたであろう言葉を素直に受け止められない私が悪いんだ。
困らせたいわけでも責め立てたいわけでもなかったのに、穿った見方しか出来なくなっている自分が嫌になる。
『せっかく楽しい会だったのに、帰り際に変な話しちゃってごめんね。忘れてくれていいから───』
「あのっ！」
彼と目を合わせることなく数歩前へ歩いたところで、腕を掴まれ呼び止められた。
『……どうしたの？』
「……違います」
『え、？』
「同情じゃ、ないです」
真剣な眼差しと声色。
ほんの少し、怒っているようにも見える。
「俺はたしかに、裏でAさんが苦しそうにしてるところもずっと見てました。その状態でライブやり切ったことを凄いって思う……Aさんの言う同情の気持ちも、全く無かったとは言いません。
けど、1番は、純粋にAさんのパフォーマンスに感動したんです。
あれは、ライブであなたの姿を見た瞬間のあの気持ちは絶対に、同情じゃなくて、感動です」
未だ私の右腕を掴む手に込められた力が、その言葉が嘘ではないことを表していた。
『……腕、痛い、な』
「っ！
す、すいません！」
慌てたようにパッと手を離した海青くん。
ついさっきまでの真剣な様子から一転、心配そうに私の顔を覗き込んでくる。
「あの、大丈夫っすか……？」
『うん、大丈夫』
「……生意気なこと言ってすいません。
けど、俺、本当に感動したんです。あの時のAさんの、ステージ上でキラキラ輝いてる姿」
『……うん』
悲しそうな顔で、海青くんは呟く。
ああ、彼の純粋な気持ちに私は傷を付けてしまったんだと、そこで初めて気が付いた。
「同情の気持ちが一切無いなんて綺麗事言うつもりは無いです。でも、感動したのも、嘘じゃないです」
『……うん』
「お世辞でこんなん言わないっすよ。全部本音です。
だから、素直に受け取ってほしいです」
『………………ごめん』
溢れてくる感情の行き場を失って、思わず両手で顔を覆った。
彼のまっすぐな言葉たちは、私が真正面から受け止めるには眩しすぎる。
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美紀(プロフ) - GENE大好きです最高です涼太くんと亜嵐君と玲於君が大好きですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年2月19日 18時) (
レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ALICE x他1人 | 作成日時：2021年2月7日 5時
