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「いやいやいや、「は？」って！」

柚那の言ったことの意味が理解出来なくて、一瞬思考回路が真っ白になった。
ようやく出てきた一言は見事に困惑を示すもので、それを投げ返された柚那はいつも通りの勢いでツッコんでくる。

でも、その困惑こそが正直な感想だった。
どう返すのが正解か分からないけど、少なくとも二つ返事で頷いていい話ではなかった。

『いやいやいや、はこっちの台詞やから……いきなり何言い出すんかと思ったら……』

「なんでよ！ちゃんと簡潔に話したやんかー！」

『いや、そこじゃなくて……。
ラストライブにゲスト出演って、どんな流れでそんな話になったんよ』

E-girlsの集大成とも言える日に、なぜゲストを呼ぼうと思ったのか。
そしてなぜ、それが、私なのか。

説明を求める私に、柚那はそれまでの明るくおちゃらけた雰囲気が嘘のようにビシッと姿勢を正して、真面目な顔つきで話し始めた。

「もう、これが最後やから」

『……E-girlsでライブするのが？』

「それもやけど、E-girlsとしてAと一緒にステージに立てる、最後のチャンスやから」

『っ、』

寂しそうな顔でそう言う柚那に、胸が締め付けられる思いがした。

「同じVBA3出身やけど、うちらはE-girlsで、AはGENEになって、バラバラになったやろ？一緒にパフォーマンス出来る機会って全然無かったやん」

『……そうやね』

あのオーディション出身のメンバーで、EXILE TRIBEになったのは私1人だけ。
グループが違うと、なかなか同期で同じステージに立つ機会は無かった。

「もしかしたら、一緒にステージに立って隣で歌ってる未来があったんかもって考えたら、E-girlsが終わってしまう前に、神代Aの居るE-girlsを実現したいと思った」

柚那の言葉は、シンプルに嬉しかった。
一緒にステージに立ちたい思いは私にだってある。

でも、そう簡単に頷けない理由があった。

『……でも、最後やんか。11人で、ちゃんと完結させるべきなんちゃうの』

そう、これは、ただのライブじゃない。
“ラストライブ” なんだ。

これが終われば、E-girlsの物語は完結する。

そんな大切なステージに、元々メンバーだったわけでもない、同じオーディション出身というだけの私が上がっていいとはどうしても思えなかった。

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