◇ ページ11
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「お待たせしました、トマトソースのパスタと、鶏とキノコのクリームパスタになります」
「あ、ありがとうございます」
『ありがとうございます』
その後も仕事やプライベートに関する他愛も無い話を続けていると、注文したパスタがやってきた。
「トマトの気分だったの？」
『ううん？メニューの1番上にあったやつ』
「……ブレないねえ……」
あまりにも音楽以外のことへの興味が薄い私を心配してか、メンバーはこうしてしょっちゅうご飯や買い物に連れ出してくれる。
コロナ禍で自粛期間に入ってそれが出来なくなった時なんか、オンラインでメンバー会議をするたびに「ちゃんとご飯食べてる？」としつこく聞かれていたぐらい、うちの人たちは私に対して過保護だ。
「うん、美味いね」
『うん』
「食ったらどっか行く？」
『んー、どこでも』
「ちょっと散歩して帰ろうか」
『いいよ』
「外の空気吸わないと、家に篭ってると鬱々してくるからね」
『そうだねえ』
涼太くんの言うことにひたすら相槌を打つだけの私。
聞いてるんだか聞いてないんだから分からないような態度でも許してもらえるのは、メンバーだからこその特権。
それを分かってるから、私も変に頑張って話を弾ませようとしたりはしない。
それに、彼が今日わざわざ私を連れ出してくれたのには別の理由があることにも、気付いているから。
『……ねえ』
「うん？」
『ありがと』
「ええ？何が？」
笑いながらとぼけたように聞き返す涼太くん。
分かってるくせに。
『帰りたくない感じ出したの気付いて、誘ってくれたでしょ』
「……まあ、あんなあからさまに寂しい顔されちゃったら、ねえ？」
『寂しかったんだもん』
「だから誘ったじゃん？」
『うん。だから、ありがと』
「どういたしまして」
ドラマの撮影が立て込んでて、メンバーと会うのは結構久しぶりだった今日。
全員での仕事が終わって、それぞれ次の仕事に向かったり用事があったりでサラッと解散に。
なんとなく寂しくて、もう少し一緒に居たいなんて思ったけど、そんなこと言うキャラじゃないしな……と飲み込んで帰ろうとしたところに王子からのお誘いがあって、正直嬉しかった。
『メンバーと居る時間は、私にとって癒しだから』
「……それ、年上組の前で言ったら泣くと思う」
『え、だる。絶対言わない』
「だる、とか言わんの」
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美紀(プロフ) - GENE大好きです最高です涼太くんと亜嵐君と玲於君が大好きですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年2月19日 18時) (
レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ALICE x他1人 | 作成日時：2021年2月7日 5時
