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"どのタイミングで私に興味持ってくれたのかなって"

私の言葉に、海青くんは難しそうな顔をする。

「タイミング、すか……」

『初めて会ったの、SURVIVALのリハ？』

「そうですね」

『でもその時もべつに喋ってないよね』

私が初対面でちゃんと会話を交わすことなんて相当レアケース。
海青くんともほぼ確実に喋ってないと思う。

「まあ、喋ってへんやろ。他人にこれっぽっちも興味持たへん性格のAが、初対面でまともに会話してるわけないから」

『そうそう』

「昔のAちゃん、マジで喋ってくんなかったもんなあ」

『いっちゃんに言われたくないけどね』

「ふは、それもそうか」

お酒を煽りながら懐かしそうに話す静寂の貴公子に言い返すと、ご機嫌そうにケラケラ笑い返される。
何がそんなに楽しいんだこのイケメンは。

「で？いつやったん、海青が惹かれたきっかけ」

「……いちばん最初は、SURVIVALのリハで歌ってるところ見た時っすね」

『っえ、初対面の？』

「そうです」

まさかの告白に、素でビックリしてしまった。

今まで初対面の時に良い印象を抱かれることなんか全くと言っていいほど無かったのに……と不思議に思う私の心情を知ってか知らずか、海青くんは真剣な表情で話を続けた。

「最初はちっちゃい女の子おるなあ、あんなに大人数の中でステージ立ったら埋もれそうやなあって、めっちゃ失礼なんですけどそう思ってたんすよ」

『うん』

「けど、歌い出したら一気に人が変わったみたいにパァーッて輝いてて、圧倒されたんですよね。この人凄え、本物のスターや！って」

「ほー……」

海青くんの話を聞きながら感心したように頷く龍友くん。意外だなあ、とでも思ってそうな顔つきだ。

「で、ちょっと経って、同じ年の秋からEXILE TRIBEでドームツアー回ったじゃないですか」

『あー、うん。REVOLUTIONだ』

「そうっす。その時、舞台袖の待機場所が僕とAさん同じやったんですけど覚えてます？」

そう言われ、朧げな記憶を辿る。
REVOLUTION、舞台袖、待機場所……。

『……なんとなく？いっちゃんと昂秀くんも居た？』

「そうです、そん時です。
あの時、Aさん、その……体調がちょっと、あれやったじゃないですか」

『……そうだったね』

2014年、パーフェクトイヤーでEXILE TRIBEとしてドームツアーを回っていた頃。

パニック障害を発症したのが、ちょうどそのツアーが始まる直前だった。

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