*Only winner* (ページ34)

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『……女の子扱いされるの嫌だと思ったことは、特に無いね』

「、無いんだ」

『だって、事実だし』

「事実？」

『私が女の子なのは、事実でしょ』

そう、事実だ。
私は、女として生を受けて、女として生きている。

「そう、だね」

『男になりたいと思ったことも、まあ……1回も思ったことないって言うと、それは嘘になるけど。
でも、今は特に思わないかな』

「ふうん」

『女の子、結構楽しいよ』

全部、ほんとう。

男になりたいと思ったことがあるのも。
今は、そうは思わないことも。
女の子であることが、結構楽しいことも。

全部ぜんぶ、ほんとうのこと。

『これが「女扱いなんかされたくない！」ってタイプの子だったら、もっと大変だったんだろうなあと思うけど。私はそういうの思ったことないから』

「うん」

『私は、この世界に女の子として産まれて、女の子としてGENERATIONSになって、ありのままの姿でアーティストやってる自分を誇りに思ってる』

「……うん」

『そうさせてくれてる周りの人たちにすごく感謝してるし、これからも女の子でありたいと思ってるよ』

浮いていると言われたことが無いわけじゃない。
努力だけでは埋められない差に劣等感を感じたことは数え切れないほどある。
紅一点の立場を利用して周りを誑かしている、なんて謂れのない批判をされるのも日常茶飯事。

それでも、そうあることを選んだ。

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