第一章 七幕(その2) これは遊びであって遊びでない ページ18
「あなた、この襟の口紅はなんなの?」
「あっ…それは」
妻が会社の飲み会で遅くに帰ってきた夫のシャツを洗おうと持ったら、襟元に赤い汚れが付いていた、女の直感でわかる。ーー浮気だ。
「まっママ…ど、どうしたのー?」
「あぁ何でもないわ私の天使。今からママとパパ二人っきりでお話ししたいから、先にベッドに入ってなさい」
「絵本は読んでくれないの?」
「ごめんね、また明日読むわ」
「うん…ママ、パパおやすみなさい」
「おやすみなさい」
「あぁ…おやすみ」
娘(推定5歳)レインが不安げな表情で部屋を出た後、妻トワが目をカッと開けて夫ジュンに詰め寄る。
「正直に聞かせてあなた。これは口紅よね?誰がつけたの?」
「か、会社の飲み会で女上司が酔っ払って俺に抱きついてきたんだ」
「あらそう…抱きつかれた後は?」
「その後は…酔っ払った女上司をタクシーに乗せて終わりだ」
「終止符を打った場所はホテルじゃないの?」
「あっ…!」
トワがホテルの領収書をつまみながらジュンを睨みつける。ジュンの顔はみるみると青ざめていく。
万事休す、ジュンの心は燃え尽きた。それに加えて新たな爆弾が投下された。
「男の浮気も許せない女なんて、我が家に相応しい女じゃないようね」
「義母様…!」
「ジュン、だから私は反対したんです。こんな女と結婚するなど」
「義母様にはかんけいないでしょ!?」
「ワン!」
爆弾ーー姑のウォールとチワワのユウがやって来た。嫁姑で言い争っている間、ユウは元気に尻尾を振っている。
「ワン!」
「古い人間にわわからないのよ!浮気された妻の気持ちが!」
「義母に向かってなんて暴言を!?」
「二人とも落ち着け!」
「何よ!元はと言えばあなたが悪いんでしょ!?」
「何だよ!俺の小遣いを減らしておきながら自分はママ友もランチに行って…俺だってー」
プルルルルルルとジュンの主張を遮る様にジュンの電話が鳴った。ジュンが慌てて携帯を取り出した瞬間トワが奪い電話に出る。トワは気づいていた、電話の相手は浮気相手だと。
「もしもし」
『御機嫌よう、僕だ。さっきはとってもよかったよ』
「えっ」
『君のモノは僕のアレに感動と喜びを与えてくれたね、今度もしようね』
「あなた誰?」
『僕はシトリン、さっき会ったばかりなのに忘れるなんて酷いよジュン君』
「あ、アナタァァ!!」
「いや知らない!オレは女上司と!」
「ワン!」
終わり
語り部 ミヤビ
「最悪な結果だ…」
第一章 八幕 平凡が一番→←第一章 七幕 これは遊びであり遊びでない
5人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小動物 - コメント失礼します。4年間もすごいです。私、ガイストクラッシャー今でも好きです!皆さん更新頑張ってください! (2018年11月5日 1時) (レス) id: 4dcfc1ef4e (このIDを非表示/違反報告)
神威(プロフ) - YOSHINOさん» まじですかww了解です、お教え頂きありがとうございます! (2016年9月29日 13時) (レス) id: f080a39440 (このIDを非表示/違反報告)
YOSHINO(プロフ) - パスはURLの最後の奴ですよ!てか変更しました (2016年9月29日 13時) (レス) id: ff61ac8251 (このIDを非表示/違反報告)
シャウロン(プロフ) - 神威さん» わかりました!ありがとうございます〜『シャウロン』と名前のつく奴がフォローしたら、私です!!さっそくフォローしますね (2016年9月27日 23時) (レス) id: fe40e088dc (このIDを非表示/違反報告)
神威(プロフ) - シャウロンさん» 勿論です!というか是非!@cmiki0929で検索して頂ければ出るかと (2016年9月27日 22時) (レス) id: f080a39440 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ