《ガイストクラッシャー》女子チーム！【合作】

第一章 六幕 やさしい音 ページ16

「…ねぇ、恋をするって、どんな感じだと思う？」
ある日、GCGのガイストクラッシャーの女子チームでは、こんな話があがった。

きっかけは確か、トワちゃんの恋バナからだった。シレンくんとどこまでいったのか、とコハクちゃんが聞いて、みんなが茶化して、トワちゃんが珍しく顔を赤くして。
かわいいなぁ、と思っていたら、ふとさんごちゃんがそう呟いた。

「どんな感じっていわれても…」

みんながそれぞれ首をかわいく傾げたり、腕を組んだり、でも、男の子と付き合ったことがないから、ほとんどのみんなはわからなくて。

しばらくして、みんなからの視線が私に注がれる。
「ミヤビ、分かる？」とその目は言っていて、
心の中で、また、かと毒づいて、ため息をついて、となるはずだったのに。

「…………なんかね、心がふわふわするの
」

ぼんやりとしていた私は、つい、口を滑らせてしまった。
「へ？」という声が聞こえて、我にかえった私は、「へ？」と聞き返してしまう。

待って、私、いまなんていった？

心がふわふわするって、えっ、ちょっと、待って、え？

頭の中で一人で混乱していると、「ふわふわするってどういうこと？」とさんごちゃんに聞かれた。

「うーん…とね」
と考えこむふりをしてるけど、心の中はあうあうとあわてていた。
ひとまず冷静になろう、落ちつこう。
私は女友達から聞いた話を少し引っ張り出してきた。

「胸がドキドキして、たまにすごく苦しくなって、でも、痛いっていうよりかは、嬉しい、っていうのかな？…………ツライって思うこともあるけれど、でもふわふわしたり、優しい気持ちになれると思うよ？」


言った後に、少し後悔した。
ずっと隠していた胸の中の優しい音を、意識してしまったから。


「へぇー、そうなのかー」
誰かがそう言う声がする。
「うん、きっと、そう」




優しい音は、まだ聞こえていた。

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