52 ページ2
見つからないように……?
それは一体__。
ハア……私、理解力ないなあ。
全然理解出来ないや。早くナナちゃんに解説を頼まないと……。
「花は知ってたのよ。ユイちゃんが独占欲が強いこと。しかも、その独占欲は異常なほど強くて……」
「それでも、花は色んな子と仲良くしたいからって、ユイちゃんに見つからないように隠れながら、色んな子とコミュニケーションをとっていたの」
「……そうか。瑠璃、ナナ。説明ありがとな」
……あぁ。そういうことか。
やっと理解出来たよ。
でも、私は少し疑問が残った。
「でも、なんでユイは花ちゃんに仲良くしようよって書いた手紙を送ったの?」
それには、花ちゃん本人が答えてくれた。
「ユイは、被害妄想が酷くてね。私がユイのこと嫌いだから他の子と仲良くしてるって思ったんじゃないの?それで仲良くしようよって書いて……ねぇ、そうなんでしょ、ユイ」
「知らないもん」
私は時計を見た。
あと二分か……。早く話を済ませないと。
可笑しいなあ。もともと、ユイの様子を見に来ただけなのに。
まあ、そのユイは小学生時代に戻っている様子だけど。
私はため息をついて言った。
「ねぇ、ユイ?私達、仲良しでしょ。どうしてあんな紙を__」
「紙なんて知らない!!私、知らない知らない知らない!!」
ユイが花ちゃんを押し退けて、私の目の前に来た。
ユイはたくさんの涙を流していて、よくわからない罪悪感が心を侵食した。
「仲良しじゃない!!Aは仲良しじゃない!!私以外と話してて、仲良しじゃない!!私を見捨てて、花たちと話してた!!友達でも仲良しでもなんでもないのッ!!」
そして、花ちゃんを押し退けたように、私を押し退けて、保健室から出ていった。
サトル君と達也君はユイをすぐに追いかけた。
そして、数秒後にユイの声が聞こえた。
「やめてやめて!!」という悲鳴に近い叫び声。その声に胸が締め付けられた。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ムクロねこ | 作成日時:2015年8月29日 19時