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私は花ちゃんの言葉を聞いて悲鳴をあげた。
……今、今なんて……ッ!?
花ちゃんもユイに手紙を貰ったことある……？仲良くしようよ、って書いてある手紙を……？
それじゃあ、私の机の中に入っていたあの白い紙も、ユイがやったってことなの？
なんで今日はこんなに酷いことばかり起きるのッ!?
「知らないよ。私、知らないもん」
「知らないもんじゃないわよ。あんた、なんでまたやるのよ」
「知らないもん……知らない、もん」
ユイが涙を流しながら言った。
花ちゃんは般若のような恐ろしい顔をしていて、ユイを睨んでいる。
しばらく、沈黙が続いた。
その沈黙を破ったのは、サトル君だった。
「おい、どういうことだよ。花」
サトル君が花ちゃんに聞いた。
花ちゃんの代わりに、瑠璃ちゃんが答えた。
「そうか。サトルは転校してきたから……」
転校？どういうことだろう？
私は疑問に思って、ナナちゃんに聞いた。
「実はね、サトル君は小学5年に転校してきたの。それで、サトル君が転校してくる前……3、4年くらいのときに、花とユイちゃんは仲良しだったの。でも、喧嘩しちゃって……」
それでそのまま、口を聞かなくなって……＿＿
ナナちゃんの説明を聞いて、私はもう一度花ちゃんを見た。
般若のような恐ろしい顔が、なんだか泣きそうなのを我慢している顔に見えた。
「二人共、喧嘩したことなかったから……」
二人は、喧嘩をしたことないくらい仲良しだったんだ……。
それを聞いて、私は余計に花ちゃんが泣くのを我慢しているように見えた。
「僕が転校してくる前に、そんなことが……」
ナナちゃんの説明を聞いていたであろうサトル君が、うつ向きながらそう言った。
友達どうしの喧嘩なんて、よくあることだが、それだけでこうなるのは誰も予想出来ないだろう。
私もそうだ。
「仲直りしたくてユイは花に手紙を送ったんだな」
「ううん。達也、それは違うわよ」
「何が違うんだよ、瑠璃」
達也君が、瑠璃ちゃんを睨みつけた。
「本当のことを言ったのに……」と呟きながら。
「ユイちゃんは、花と仲直りしたかったんじゃない。花を独り占めしたかったのよ」
「ハァ？もともと、あいつらいつも一緒だったじゃねぇか。独り占めしてただろ」
瑠璃ちゃんが「いいえ」と言った。
「喧嘩をする少し前から、花は色んな子と話していたの。ユイちゃんに見つからないようにね」
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作者名：ムクロねこ | 作成日時：2015年8月29日 19時
