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だるい。正直だるい。
学校だ。学校が近づいてくる。

夜、月明かりと、わずかな星の光しか差さない部屋のベッドに寝転がりながらそう思った。

この夜が終わると、学校がやってくる。
そして、この夜はもうじき終わりを迎える。今日の夜が終わる。
明日の午前の夜が来て、朝が来て、学校が来る。

眠れない。
寝たいのに寝れない。眠れない。怖くて汗をかいて、息苦しくて。

寝返りをうって壁を見る。
昼間は白い壁が、今は青白い。
その色が何か良かった。

「…ゴホッ」

咳だ。

「ゴホッゴホッ…ヒッ…ゴホ…」

苦しくなって息を吸おうとしたら、余計苦しくなった。

風邪だろうか?気を付けていたわけではないけれど、まさか風邪をこの季節にひくなんて……。

また寝返りをうって、窓の方に目を向けた。
1メートルほど先にある窓はカーテンを閉めていない。
月の白い光が優しく部屋にさしこんでいる。
その光の筋一つ一つが天国に続いていそうだ、と思ってちょっと苦笑い。

厨二病ですか。この私が。
ありえない話ではないけどね。

ジッと窓を見ていると眠気が襲ってきた。やっとか。
やっと眠れるのか。

私は目を瞑って体の力を抜く。

少しずつ少しずつ暗闇の中に意識が落ち始める。
あぁ、眠れるんだな。
そして目を覚ませば朝、か。

「おやすみ」

掠れた声で言った。
誰にも聞こえてないだろう。
だけど言った。
昔、「眠る前には絶対おやすみなさいを言いなさい」と耳にタコが出来るくらい言われたのがまだ残っているからだろうか。
「おやすみ」と「おはよう」は、我が家では言わないと普通の家ではありえないほど怒られた。

昔、保育園の先生に「おはようございます」をいい忘れたことがあった。
そのとき、他の人がいるのにも関わらず、お母さんは怒った。

それは鬼のようだった。今だにトラウマだ。

あのときのことが思い返された。
____あのお母さんの顔と言ったら!

「あ…」

いつの間にか眠気が覚めていた。

嘘でしょ…。
やっと寝れると思ったのに…!

私は心の中でぶつぶつと文句を言いながらまた目を瞑った。
この分だと、寝つくまでにあと一時間はかかるだろう。
それまで妄想してようではないか。

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設定タグ:オリジナル , 学校行きたくない , 学校   
作品ジャンル:その他, オリジナル作品
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作者名:ムクロねこ | 作成日時:2015年7月6日 0時

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