学校行きたくない (ページ39)

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理科の授業も残り10分。
あと10分だ。頑張れ私。眠気に負けるな!!

「……で、さっき説明した部分が植物のからだを支えているわけだ」

眠い。先生の声が聞き取りにくい。
これはもう、私の問題じゃなく、先生の問題だ。
眠くなるような、退屈な授業をするような先生というのは、はっきり言って、教師の才能がないんじゃないだろうか。

理科と数学と国語の先生は才能がないんだ。
でも、なぜか苦手な英語を担当している英語の先生は面白い授業をしてくれる。英語の授業は、退屈ではないし、眠くはならない。
その点で言えば、英語は好きだ。
けれど、やっぱり単語とか覚えられないし、英文をちゃんと読めないし、英語は嫌いだ。

……じゃあ、好きな教科の先生はどうだろう？

私は美術が好きだ。
絵を描くのは好きだし、不器用だけども、物を作るのも好きだ。
絵を描くときは結構上手く出来ることが多いし、そのたびに先生は誉めてくれる。
けど、誉めてくれるだけじゃなくて、「こうした方が良い」って具体的に教えてくれる。
美術の先生は、面白い。だから眠くならない。

「多少喋ることは許そう。だけど、眠ったら今描いている絵を一度全部消す」

授業前にこう言われるから眠くならないだけかもしれないけど。
でも、面白いことは事実だ。

……と、まぁ、どんどん黒板に書かれていくことをノートに写しながら考えていた。

何か他のことを考えないと、このまま寝そうだ。
寝たら成績が下がるのに。これ以上下がったら……あぁ、お母さんとお父さんの怖い顔が見える。
そういえば、夏休みまでもう少し。終業式の日には成績表が配られる。

……どうあがいても地獄か。

最悪だな、と思いながらノアの席を見る。

……ノアはまだ帰ってきていない。
生徒指導室で一体何をやっているのだろう。

別に心配はしていない。
けど、なんか不安だ。

先生に、私とユイが「悪い」みたいなこと言ってないよな？
凄い不安だよ……。生徒指導室から私とユイが帰ってきてから、30分はたっているハズだ。

それなのに帰ってこないなんて……。

授業が終わるまであと5分。
私は不安になっていた。