学校行きたくない (ページ16)

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「雅ちゃんはそういう子じゃない!」
「男子最低!!」
「ちょー最悪なんですけど～!だいたい星宮が悪いのよ!」
「そうそう!星宮とかマジないわ～」

女子が叫ぶ。
明らかに怒りの感情が込められていた。

「雅だってビッチかもしれねぇじゃん!」
「そうだぞ!あいつ、背は小さいくせに胸はでかいからなあ!」
「お前らとは違って!」
「Aカップ～!!」

男子は明らかに楽しんでいる。
冗談のつもりなのだろうか。
こんなところを雅ちゃんが見たら泣いてしまうかもしれない。

登校拒否にだってなりかねない。
むしろ私だったらそうなる。

なのに、あいつらときたら…!
私は、女子も男子も嫌いだけど、実は女子の方が嫌いだ。
でも、これは女子の味方をするしかない。
雅ちゃんとは全然話したことないけれど、ここまで男子の遊び道具にされちゃあ、黙っていられない!

「お前静かにしろ!授業中だぞ!」
「先生は黙ってろよ～」
「そうだそうだ!」

男子が笑いながら言う。
それには先生もカチンとくる。

「だいだい星宮!お前があんな汚い発言をしたからだぞ!休み時間職員室にこい!」
「えー、や……」
「嫌だじゃない!他の男子もだ!職員室にこい!女子も雅を守るのはいいが、やめろ!」

一気に静まりかえる教室。
女子は勝ち誇ったような顔で黙っている。
一方男子は驚いた表情をしている。

私は、先生が正しいと思った。
これが普通の結果だと思った。

そこに、雅ちゃんが帰ってくる。
雅ちゃんがトイレに言ってから、五分はたっていた。
明らかに遅い。
もしかしたら……もしかしたらだけど、実はとっくにトイレから戻ってきていたのかもしれない。

「あ、雅ちゃん…」

女子の一人が話しかける。

「遅かったねえ」
「う、うん」

あぁ、あの反応……とっくにトイレから戻ってきていたんだ。

私はこのクラスの男子が余計嫌いになった。
女子よりはマシ………なんて、バカみたいだ。
女子の方が断然マシだった。
今日この時をもって分かった。

女子はちゃんと守っていた。友達として、雅ちゃんを。

雅ちゃんが席についた。

「男かあ？」
「…え？」

残酷なことに、雅ちゃんの隣の席は星宮だった。
雅ちゃんは戸惑っている。困惑している。

「おい、星宮!!」
「すみません、せんせ～」

むかつく。むかつくむかつくむかつく。
あの生ゴミ…!その口を切ってやろうか!

私は怒りに震えた。
私がこのクラスになって、初めてのことだった。
ユイ以外を貶されて怒りに震えるのは。