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給食の時間はとても苦痛。
なんでいちいち班を作って食べるのだろう?
男子は食事中なのに下品な言葉を言うし、女子はこれまた甲高い声を出すのに。

給食の班はそれぞれ五人ずつで編成されている。
私の班は男子三人と女子二人。
男子の名前は最近やっと覚えた程度で、女子の子は同じ部活。

この班になってすぐのとき、女子に「喋らないの?」と言われたときはビビった。
部活のときの私しか知らないその子は、黙って食べ続ける私に疑問をもったのだろう。いや、違和感を感じたと言うべきか。

ちなみに、その女子の名前はカンナちゃんという。漢字は忘れた。

「おい福井〜、ご飯おかわりしろよ〜」
「え、やだ。なに?まだ残ってんの?」
「残すと先生に怒られるよ」
「福井、おかわり、はやく!」
「うっせえ」

男子がご飯を口に入れながら喋る。汚い。とても汚い。とてもとても汚い。
こいつら常識とかマナーとか分かってるのだろうか?

グチャグチャとうるさいんだよ。

私は誰とも喋らず食べる。
だから時間を無駄にすることなく、早く食べ終わるのだ。
食べ終われば、読書の時間だ。
私は図書室から借りてきていた本を机の中から取りだし読む。
児童文学書で、昨日の朝読んでいた本の続きだ。次の巻で最終巻だからか、今読んでいる場面から最終決戦が始まる感じの伏線が見え隠れしている…!

ああ!一体どうなるのだろう?
主人公が信頼していた仲間の一人が死んでしまい、元親友はまさかの敵に!
おい主人公!一体どうなってしまうんだ!!

夢中になって本を読む。
ページを捲るスピードが速くなっていく。文から文へと移る目のスピードが加速していく。

本が麻薬のように感じる。
一度夢中になればなかなか抜け出させない。抜け出そうとも思わない。周りから見ればただの異常者。それが麻薬による影響。

このクラスになってから、私は本という麻薬の中毒者になってしまった。
クラスに馴染めなかったからだ。

別に、馴染みたいとも思わないし、あんなうじ虫たちとつるむくらいなら死んだほうがマシだ。
それに、誰にも話しかけてこない、本に集中出来るこの感じも、何か好きだし。

物語が後半にさしかかる。

___なんということ!?
まさか、あの子が人質にとられるなんて!くっ……元親友の敵は、そんなに酷いやつだったのか!まだ10にも満たない子供なんだよ!?
あぁ…可哀想な子供。でもきっと主人公が助け__おぉ!やっぱり主人公が助けに来てくれた!


私のページを捲る手は止まらない。

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作者名:ムクロねこ | 作成日時:2015年7月6日 0時

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