学校行きたくない (ページ20)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:6,449 hit

20 ページ20

勝手に私の足が声のする方へと向く。
そして、そのまま進む。

「せ、先輩っ？」
「待ってて。すぐ戻ってくるから」
「でも…」

未来ちゃんが少ししてから私を追いかけてくる。追い付くと、先ほどと同じように私の隣を歩く。

「2年2組ですよね」
「うん…」

2年2組の近くに来る。
私は扉に少しずつ近づき、しゃがむ。

未来ちゃんが声を出そうとするのが分かった。だけど私はそれを手で制した。
気づかれてしまうからだ。

耳に集中する。
すると、より声が聞こえてくる気がする。

『えー、そんなことだったのー？』
『見てなかったからね、あんた』
『ヤバイ。凄い笑っちゃう!』
『引っ掛かりよう面白すぎぃ!』

クラスの中心的人物のグループの子たちだ。
甲高い声で分かる。

『命令実行したとかあぁ』
『ほんとにやるとはねぇ!マジうけるぅ!』
『それな!』
『ちょー同意』
『やっぱ命令だったんだあ!』

命令？実行？こいつら、誰かに命令して実行させたの？

『星宮があそこまで煽るとは思ってもみなかったわあ』

星宮？なんでそいつが出てくるの？
煽るですって？
何、それ。もしかして、こいつらが話しているのって……!?

『煽れとはいったけど、あそこまでなんてねー』
『でも、結局男子潰せたし良くない？』
『でも、星宮には恨まれるね。他の男子はこのこと知らないからいいけど!』
『星宮も仕組んでたのっ？』
『あんた、スマホ禁止令早く取り消されるといいね』
『話ついてけないもんねえ』
『……うう。もう、はやく続き!』

他の男子。
それってもう、今日のことよね。

『はいはい。分かったよぅ。それでさぁ、ちょっと脅しただけだよ？お前を今日からいじめてやるって』
『そしたらまさかの、命令実行!本当に雅ってバカだよね～!!』
『明日からいじめるのにね～』
『今日からはいじめないだけなのに!』
『『ぅあははははははっ!!』』

…………やっぱり。
やっぱりそうなんだ。
男子を潰すために星宮を利用して、からかい程度で雅ちゃんを苦しめて…。

あぁ、やっぱり女子もダメだ。
男子も女子もダメだ。ダメダメ。ダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメ。

私は静かにその場を去った。

少しでも見直した私がバカだった!
あんな腐ったやつら、全員死ねばいい!!

未来ちゃんが追いかけてくる。

「先ぱ＿＿」
「ごめん。私公衆電話使うから先行ってて」

そのとき私は絶望していた。