幸せ21個目 ページ21
*
｢うっはー……大混戦。｣
｢ちっ、悪ぃ取られた｣
開始から7分。
1位狙いの勢いに乗じて、いつの間にか私達のポイントは取られていた。
まあ、絶望している訳でもなし、何とかなるだろう。多分多分。
寧人の方を見やればやっぱりアイツは爆豪くんに目を付けたらしい。
話題性からして、コレで負かすことが出来れば彼ほどいい餌も居ないだろうしね。
｢おっ、大チャンス？｣
｢だな。｣
1位周辺、紅白くんとモサモサくんの辺りから強い光が見えたと思えば、いつの間にやらどデカい氷で2組だけの空間が作られている。
周りにいた組は足場が固定されて動けないみたいだし、1番楽なのはそこのポイント狙って、あと寧人に巻き込まれなければ良いってだけの漁夫の利作戦。
｢1分切るまで待つか？｣
｢だねぇ、その方がいい。｣
上位に食い込みすぎて1位を諦めた奴らに狙われるのも頂けない。
寧人が爆豪くん、モサモサくんは紅白くんで手一杯になっている今はまだ、余裕がある。
｢…なぁA｣
｢ん？｣
｢お前、なんで体育祭勝とうと思ったわけ？｣
あぁ、ずっと人使には言ってなかったっけ。
違うな、出来ることなら言いたくなかったんだ。
ずっと人使を見ていると、純粋に真っ直ぐヒーロー目指してて
そんな彼の隣で私が目指すものが、私欲にまみれたみっともない物に思えて仕方なかったから
｢……ひみつ。｣
｢そうか｣
案外あっさりした返答に私が戸惑う。
深追いしないの？なんて、断っておいて聞くのもなぁ。
｢必要なら教えてくれるんだろ、Aは。｣
……。
この子さぁ？？？？？？
何、なんのタラシなんだこれ。
｢……無自覚こわひ〜。｣
｢と、行くぞ。｣
何事も無かった様に人使はハチマキを回収していく。
私の周りの男(2人しか居ないが)、あまりにも無自覚に人を落としてない？
。+ฺ・。ฺ・
順当にポイントを回収して、残り30秒。
会場に充満する歓声と違い、私の頭にあるのは戸惑いの感情だけ。
騎馬上で傾く幼馴染の姿。
傍で爆発くんが手にしてるハチマキ。
嫌でも結果は見えてしまう。
｢寧人が…負けちゃ、、｣
寧人の個性は周りの人間あってこそ。
不測の事態には、
残り約15秒、私にはどうすることも出来ない。
無慈悲な迄のカウントダウンは、タイムアップの声を上げた。
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ふわ(プロフ) - いゆ。さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです！更新も話の進みもゆっくりにはなりますが、また見ていただけると幸いです……！ (2019年4月1日 14時) (
レス) id: fce397dad0 (このIDを非表示/違反報告)
いゆ。(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！物間くんも心躁くんも好きな私にとってはすごく好みな作品です…！更新頑張ってくださいね！ (2019年3月28日 18時) (レス) id: ee86b7a9ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわ | 作成日時：2019年2月9日 2時
