幸せ16個目 ページ16
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早いもので時は過ぎ、体育祭当日となった。
ヒーロー科は盛り上がっている様子だけど、普通科の控え室はやる気のない生徒も少くない。
｢結局引き立て役だしね。｣
｢さっさと終わらせてスイーツ食べいこ〜？｣
そんな会話をしている生徒。
別に聞きたくて聞いたわけじゃないのだ。
声が大きいから耳に入るだけ。
｢やぁ人使、調子はどう？｣
｢まぁ、普通。｣
人使は拳を軽く握って開いてを繰り返す。
普通とか言って、緊張しているじゃあないか。
｢ん、ふふっ、いつも通りでいいんじゃない。｣
｢うるせ。お前はどうなんだよ。｣
｢私？……うん、凄くいい。｣
数秒ではあるけど個性使用可能時間も長くなった。
より細かい動きもつけられるようになったし、何より今日は少しふわふわしている。
悪い意味ではない。
何か、出来そうな気がしているだけ。
｢勝とうな。｣
｢あっは、始まりゃ敵だぞ〜？｣
しばらく話して、その後グータッチを交わしてから控え室を出た。
あの場にいると、せっかくの調子が狂いそうだったのだ。
┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈
暫く歩くと、金髪がカッコつけて壁にもたれかかっている。
時代錯誤も甚だしいね。あぁ痛い痛い
｢ついにクラスメイトに追い出されたか…可哀想に……。｣
哀れな……なんて
｢そっちこそ、陰口が怖くて逃げてきたのか？｣
奴はケラリと笑って、嘲笑を浮かべた。
うん、いつも通り。調子が良さそうでなにより。
｢来いよ、A。｣
｢ふは、ちゃんと残れよ？寧人。｣
返すように嘲笑って、何となく隣に並ぶ。
話すことも無いのだけど、少しだけこうしていたかったのだ。
｢……はぁ。｣
｢ため息なんて縁起悪いなぁ？｣
なんだどうした、寧人はこの程度の行事で緊張する玉じゃないだろうに。
｢うおあっ、ちょっ……やめ、｣
｢お前はやる事やったんだろ。｣
急に手が伸びてきたと思ったら髪の毛をぐしゃぐしゃにしやがる。
なに？なんだよコイツ、なにしてんの。
｢お前が緊張してると調子狂うんだよ。｣
は？私が緊張？
｢……してない。｣
してる訳が無い、するべき事は全てしたし、ここ数週間無駄な時間なんてなかった。
｢はぁ…君のせいで集中が途切れた。｣
｢そういう時は緊張が解れたって言うんだよ？おバカさん。｣
あぁでもどうしてか、さっきよりも身体が動きやすいや。
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ふわ(プロフ) - いゆ。さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです！更新も話の進みもゆっくりにはなりますが、また見ていただけると幸いです……！ (2019年4月1日 14時) (
レス) id: fce397dad0 (このIDを非表示/違反報告)
いゆ。(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！物間くんも心躁くんも好きな私にとってはすごく好みな作品です…！更新頑張ってくださいね！ (2019年3月28日 18時) (レス) id: ee86b7a9ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわ | 作成日時：2019年2月9日 2時
