幸せ11個目 ページ11
*
｢……はぁ。｣
ため息を教室で吐く。
次の日には流石に腕の調子も戻っていて、ズル休みを許されるほど甘い家庭ではないから登校した。
朝一で先生にノートの事を聞くと、『あぁ、ノート？誰かに見せてもらってくれる？』なんて死刑宣告をされたのだ。
さよなら私の抜けのないノート……。
｢……えっと、A。｣
呼ばれ慣れない苗字呼びに驚いて振り返る。
立っていたのは紫髪の男の子。クラスメイトだ。
名前が分からないのは申し訳な〜〜〜。
目立っている様子がない、と言うか。
こういう時に自主的に声を掛けるような子では無い、と思う。
｢はい。ちなみに名前で呼んでくれると助かる。｣
大人以外から呼ばれ慣れてなくて反応しにくい。
｢あぁ、……ぇと、｣
｢A。｣
｢……悪ぃ。A、昨日のノートコピーしてきたから、コレ。｣
えっ女神様……？いや男の子だけどね。
えーん優しい、なんでなんで？私君と話したこと無かったのに。
｢良いのかい？助かるよ〜心操くん。｣
合ってるかな〜違ったらすま〜ん。
｢どうせなら俺も名前でいい。｣
んんん〜！！！！知らないよ〜〜〜〜！
首絞めた！自分のだけど！
｢わ、かった……。｣
｢ふ、人使。｣
人使くん！！！！！！
｢それで、何目的かな？｣
君が話しかけたことも無いクラスメイトの為に、無償でノートのコピーをくれるのなら、無視して欲しいがね。
｢ヒーロー科の｣
｢……うん？｣
｢金髪のやつ。仲良いだろ。｣
……あぁ、そういうこと。
｢うーん、まぁ人並みにはね。
でも私、他のヒーロー科の子のことなんてわかんないよ？｣
どっかで寧人と話してるの見られたか。
あぁもう、だから関わりたくないのだ。
｢話はそれだけ？不相応なら返そうか。｣
きっと彼はヒーロー科志望なのだろう。
それで私から、正しくは私に対して寧人がこぼした情報を聞き出そうとした。ってところか。
｢いや、ありがとう。｣
そう言って彼は去っていった。
え？イケメン過ぎない？
｢……うーん、いいのかなぁ。｣
少しだけ申し訳ない気持ちが募る。
私が1番求めていたものを貰ったのに、彼には何も返せなかった。
｢あ、そうだよ。｣
少しだけ、後で確認してみようか。
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ふわ(プロフ) - いゆ。さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです！更新も話の進みもゆっくりにはなりますが、また見ていただけると幸いです……！ (2019年4月1日 14時) (
レス) id: fce397dad0 (このIDを非表示/違反報告)
いゆ。(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！物間くんも心躁くんも好きな私にとってはすごく好みな作品です…！更新頑張ってくださいね！ (2019年3月28日 18時) (レス) id: ee86b7a9ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわ | 作成日時：2019年2月9日 2時
