幸せ1個目 ページ1
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よく晴れた日の夕ぐれ。
青かった空を太陽が赤く染め、風が吹けば少し肌寒く感じる。
そんな季節にも関わらず、今私は河川敷に座り込んでいるのだ。
理由は……まぁ、現状を見てくれ。
｢ぐぅっ…、ぅえ…。な"ぁんっで……んぐっ…｣
｢うんうんどんまい。次があるよ〜。寧人｣
隣で膝に頭を埋めて泣きじゃくっているのは幼馴染の物間寧人。
そしてそんな野郎の隣で同情することも無く相槌を打つのが私。
｢Aお前、聞いてないだろ。｣
聞けよ…と恨めしそうにこちらに向けられる顔はボロボロで、いつもの高笑いをして居る光景が目に浮かび思わず笑いがこみ上げてきた。
｢ふはは。聞いてるぞ〜寧人。
中学終わりに付き合った彼女に2ヶ月も経たずフラれたんだな〜〜可哀想に……。｣
手持ち無沙汰だったので適当に河川敷の土でドールを作り上げて、再現PVの如く動かす。
あぁ哀れ物間寧人。可哀想で涙が零れそうだよ
そんな煽りにしか捉えられない言動をしていると、案の定幼馴染も頭にきた様子で、忘れていた苛立ちがぶり返してきたらしい。
｢…ぅっ、他人にすっっこし優しくしてやったらこうだよ…もうどうすりゃいいんだよクソ……。｣
整えられた金髪と灰を含んだ青い瞳が涙に揺れつつ伏せられる。
口調が少し荒くなり、寧人を煽るように動かしていた人形も叩き潰された。
この不憫な男こと物間寧人は、中学入学と同時にその人気が爆発した。所謂モテ期だ。
コイツは基本的に無関係の人間に対して親切だ。それもかなり愛想がいい。
物腰も柔らかい上、好意があるのでは？と思わせるような行動も少なくない。
つまりはまあ、惚れる女子は数知れず、な感じになる。と言うかなっていた。
｢とはいえデート中に他人の彼氏の振りは無いわ。｣
まぎれもない私の本心は寧人の心を抉ったらしく、うぐ…と何かに耐えるような声を洩らした後分かっていると言わんばかりに重心をこちらへ向けてきた。
事の発端を説明しよう。
デート中ショッピングモールで悪質なナンパに遭遇し、ヒーロー志望である奴はそれを見過ごせなかった。
ので少し待っていて、と彼女を放置した後ナンパ野郎共に直撃、被害者である見知らぬ女の子の彼氏を装い(彼女の目の前であるということを忘れてはいけない。)無事に救出、後に振られたらしい。
私的には寧人も寧人だし、彼女も彼女だと思う。
もっとみんな広い心を持って生きようぜ、死ぬ事は無いんだから。
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ふわ(プロフ) - いゆ。さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです！更新も話の進みもゆっくりにはなりますが、また見ていただけると幸いです……！ (2019年4月1日 14時) (
レス) id: fce397dad0 (このIDを非表示/違反報告)
いゆ。(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！物間くんも心躁くんも好きな私にとってはすごく好みな作品です…！更新頑張ってくださいね！ (2019年3月28日 18時) (レス) id: ee86b7a9ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわ | 作成日時：2019年2月9日 2時
