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カーテンで閉ざされた薄暗い空間。
天井から吊るされたランプだけが灯るこの部屋に



「ぎゃぁぁあああぁぁああっ」



なんとも悲痛な声が響き渡る。




無理もない。


パックリと開いた傷口に
麻酔もせずに針でチクチクと縫い合わせているのだから。




「痛いっ、いだいいたいぃ」



『うるさい騒がないで。気が散る』






そう言って彼女——橘 Aは

傷口に目を向けたまま患者の顔を軽く叩いた。






患者のこの男は攘夷浪士だ。


真選組との乱闘で利き腕をざっくりと斬られたらしい。


自分の体から流れ出る血と尋常じゃない痛みで
男は焦った。


痛みを堪えてこの医院まで来たが
まさかこの医院で更なる激痛を味わうとは思いもしなかっただろう。






『男なら声を押さえて。それでも無理なら…』


「…んぐぅっ!」


『自分の指でもしゃぶってて』






男は霞む視界のなかで彼女を睨んだ。


彼女は男の視線に気付かない。いや、気付かないフリをしながら
淡々と傷口を縫っていく。





それから男は何度か意識を飛ばしかけた。

気絶した方が余程楽だったかもしれない。




いつの間にか傷口に消毒液をかけられ

いつの間にか傷口はガーゼで覆われていた。






やっと終わった…

男は傷口から伝わる痛みを感じながら
目を閉じた。







『……生きてる?…

終わったから起きて。いつまで寝てるつもりなの』






言葉は冷たいが、その声で安心してしまう自分が憎い。






痛む体に鞭を打ち、堅いベットから降りる。

近くの椅子に座れば、彼女は後片付けを始める。







『傷口は常に清潔に。汚れたらちゃんと洗って。
明日また傷口見るから、もう一度ここに来ること』






わかった?と振り返る彼女に、男は無言で頷いた。




男は内心、もう二度と来てやるもんかと思った。








——————


医療に関する知識はありません。

可笑しい点もあると思いますが、お許しください。

2→←女医さん



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A(プロフ) - ゴリゴリ子さん» そう言っていただけるとありがたいです。とても励みになります。期待に少しでも応え、1日でもはやく公開できるよう頑張ります。コメントありがとうございました(*´-`) (2019年4月6日 14時) (レス) id: c6331c3cfa (このIDを非表示/違反報告)
ゴリゴリ子(プロフ) - 返信ありがとうございます!そうですね、私も急かすようなことを行ってしまいすみません、、、気長に待っているのでこれからも頑張ってください!!応援しております (2019年4月5日 23時) (レス) id: 3d03260b0c (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - ゴリゴリ子さん» 申し訳ありません。そちらはまだ調整中でして…。ここしばらく仕事が忙しく、公開するのはもう少し先なのですが、それまで待っていただいてもよろしいでしょうか?私の身勝手な理由で大変申し訳ありません。 (2019年4月5日 21時) (レス) id: c6331c3cfa (このIDを非表示/違反報告)
ゴリゴリ子(プロフ) - 女医さんシリーズのパスワード教えてくれませんか??? (2019年4月3日 1時) (レス) id: 3d03260b0c (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - 桂落ち希望!!!! (2019年3月25日 1時) (レス) id: 1283a49d39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:A | 作成日時:2016年5月4日 21時

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