私、“天才”演じます。【及川徹】

演じます。1 ページ3

中3の春。
つまりは新学期。



幸い、梨花とは同じクラスだったので一緒に
新しいクラスへ、

期待と不安を抱えながら教室に行く。


ガラッと勢い良くドアを開けた。

「おはよー皆！！」


モブ「おはよー！」


沢山の人が挨拶を返してくれた。

よし、これなら3年生初日は好印象だね。



ふと、後ろの席の方を見ると


及川「うっわぁ〜最悪。

何でアイツと一緒なんだし。

岩ちゃんと変わってほしいんだけど。」



アイツ…って、私の事だよね…。


わざと大声で私に向かって言う及川の言葉に、

私の胸はズキッと痛んだ。


「うるさいなぁ。私だって好きで及川と一緒になったんじゃないし！！」


…嘘。

本当は少し嬉しい。

嫌われちゃってるから辛いけど。



及川「はぁ？！ほんっっと、いちいちムカつく！！」



そんな時、梨花が口を開いた。


梨花「あっ、えと…と、徹くん…！

Aは何もしてないから、

あまり悪く言わないで…っ」

及川「えー。梨花ちゃんも、そんな奴と居ない方が良いよ？」






あぁダメだ。


この胸の痛み、知ってる。



やっぱり私まだ好きなんだ…。




せめて梨花には、バレないようにしなきゃ…ッ。




＊




…どうして及川と険悪なのか？


それは、中学に入学して

この生活にも慣れてきた5月頃。

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