バレた ページ29
「……もうすぐ化け物が来る」
「え？」
「……10代目総長くる」
「もしかしてやべえ?」
「ヒナは私が守る……私が合図したら思いっきり避けて。わかった?」
「ハイ」
そして、ラリアットかまされそうになる武道君
「右」
「あぶなっ！！」
「ドーはド突くのドぉぉ」
この人、過去に施設で私をよく玩具みたいに暴力してきた人に似てる……
「ずるぃな、テメェら。楽しそうじゃねぇかよ。オレも混ぜろ」
性格もよく似てる……
うわ、無理…
「……顔をガードして！」
咄嗟に叫び武道君が顔をガードしてまともな蹴りをブロックした
そのあともなんか意味わかんないこと言ってるし
しかも、柚葉ちゃん殴るし！
だめだ。まともに話し合える相手じゃない
「さっき叫んだ白髪女、誰？」
「そいつ?無敵のマイキーの妹でうちと取引してる企業の■■屋の先代が経営してた▲▲施設のNo.25。腕の黒竜のタトゥーが証拠だ」
私の何かがぶっ壊れる音がした
その番号、その建物の名前…全てが私を苦しめたものそのものだから
なんでこいつが知ってんだ?もう消されてると思ってたのに…
「こいつが生き残りでマイキーの妹？おいおい冗談だろ。あそこは潰れて全員死んでるんじゃねーの?」
「いや、一人だけ生き残ってたんだよ。ボス」
「へえ、そいつはおもしれえ」
「虚空‼︎逃げて」
「え？」
そのまんま、拳を振り落とされかけ、ギリギリガードして持ち堪えた
あぶねえ
「へぇ、俺の拳を受けて倒れねえとか流石、あの施設の被験体だな」
うるせえ
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作者名：不思議の国の有栖さん | 作者ホームページ：なし
作成日時：2021年9月6日 15時
