疫病神体質の糸師家長女は死にたい

逃げてきた ページ30

「兄弟揃ってサッカーの才能はあるのにね、真ん中の子は全くサッカーの才能がないんですって。やっぱり、女の子だからサッカーは無理なのね」

「聞いた?また、あの子、何もしていないのにそばにいた子が腕を骨折したらしいわ。本当に気持ち悪いわ」

頭の中で流れる呪詛のような言葉をわすれようとしていた

他人からの悪口にはもう慣れてしまっていた。悪口なんて我慢すればなんとかなるのだから

ブルーロックの被害者の会なんか気持ち悪いサイトを見ていたら気分悪くなりかけた

「何見てんの？アンラッキーさん」

無言で店に来た氷織君に無言で見せたらか彼の目がハイライトのない目になっていた

「はあ、こんなん見てるとむかついてくるわ……ここは僕にとっての逃げられる場所なのに…」

彼はやはり、両親から逃れたいと思っているのは事実らしい

「……ああ、ごめんな……なんか、変なこというて…なぁ、アンラッキーさんにとってここはどんな場所？」

「…………難しいけど……ここは……自分にとって……嫌なことを忘れさせてくれる場所……かな」

死ぬまでの退屈しのぎとは別の意味でもここにいる。自分は臆病者だから、ここに逃げてきた

「アンラッキーさんも何かなら逃げてきたん？」

「うん」

誰も傷つけたくなくて逃げてばっかりの自分は彼のような強さを持っていない

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