疫病神体質の糸師家長女は死にたい

エンカウント ページ18

当分の間の一日の流れは店に凪君がいつも寝ていつも怪我をする。乙夜君に口説かれそれを回収しに来た烏さんに謝られる。数日に１回は氷織君か潔君が遊びに来る。あとは不運に巻き込まれる。こんなことが日常化していた第一選考が始まった

僕は会見に行くアンリさんの手伝いをする為についていったけどあまりにも人混みで気分が悪くなった

ドア付近でアンリさんの白熱した熱弁を聞いているととある気配を感じてこの瞬間、僕は頭が真っ白になった

「……空？」

「ぁ……」

そこには珍しく目を開いて驚いている兄がいた。かなり気まずいので適当に会話してその場から立ち去ろうとしたら左腕を掴まれた

「………あ、えと、近づいたら不幸に巻き込まん……」

「……黙って会見を聞いとけ」

「……ﾊｲ」

僕はこの人に捨てられた。不運しか取り柄がないから見捨てられた。あの時、ショックで階段から落ちてフラフラで公園まで歩いて兄のファンに刺されて死にかけた

あの時、兄はそのことも知らずにスペインにすぐ帰った。あの時は誰も1日経っても放置されず死にかけた

自分はあの時、本来から死ねたらどんだけ楽だったんだろう

ごめんなさい。捨てないで。死なないで。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい……

「…………意味わかんない」

兄にも聞こえない言葉を呟いた

兄→←異常

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