苦労人の佐野家長女の周りには不良しかいない7 (ページ32)

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相談ページ32

「………え?」

「お前は強い、タケミっち」

「本当に大切な事は、喧嘩に勝つ事じゃねぇ。自分に負けない事だ。お前は弱ぇのに誰にも屈しない、あの黒龍にすら屈しなかった。挫けそうな時、俺が俺でなくなりそうな時、俺を叱ってくれ、タケミっち」

「シエルと兄貴のように」

「もちろんです!!」

「後さ、シエルが何か抱えてたら相談に乗ってやってくれ」

「え」

「あいつさ、隠し事多いんだよ。それにあんまり友達もいねえし、家族と場地にしか普通に本音をしゃべらねえしああみえて友達作るの苦手なんだよ。その癖、頭を殴れても腕を刺されても何しても倒れねえし、すぐ自分を犠牲にする。自分のことなんにも興味ねえんだよ。ほんと世話がかかる」

「昔からああなんですね……」

「兄貴がいた頃の方がもっとましだった。でも兄貴が目の前で殺されてから余計にひどくなったし泣いたことねえんだよ。それからずっとエマの為、マイキーの為って人のことしか考えねえの」

「……」

「別に兄貴みたいに守るのはいいんだよ。でもさ、あまりにも自分を追い詰めるのはよくねえんだ。いつか壊れちまう。今のあいつはまだ場地と俺とエマがついてるから大丈夫だけどさ」

「そうですか」