本質 ページ14
「シエルちゃんにとって一番怖いことって何？」
「背後に立たれることと暗闇と家族と仲間が傷つけられること」
｢｢ふーん...えっ、背後にたたれること?!｣｣
息ぴったり
「えっと、なんかトラウマあるの？もしかして、例の事件から？」
「ううん。小２の時に集団リンチで背後から襲われてた。それから背後に立たれることが苦手」
｢｢.........｣｣
やっぱりいわなきゃよかった
「それって無傷ですんだのか？」
「怪我して入院した」
「だろうな。無傷でいられるんけねえし」
「……あと聞きたいけどシエルちゃんてタトゥーしてる？左腕に」
「え？」
「未来のシエルちゃん、左腕に太陽みたいなこーんな札のイアリングみたいなタトゥーしてるんだけど……」
「してない」
「そっか」
間違いなくタトゥーのデザインは私が過去にイザナにあげたイアリングだった
何故私がそのデザインにした？
しかも、あの傷の上から
まさかイザナに何かあったのか？
イザナとマイキーは何か繋がりがある？
考えてもみなかったことだった
「未来のシエルちゃん、だいぶ性格変わってたよ。平気できさきを射殺した帰りに俺らに会いに来てたし」
「そうゆうことはもっと早くいえよ」
千冬、同感だわ
「あと、未来のシエルちゃんから最初から元凶殺せばよかったっていってた」
未来の私は色々とあってそういう思考にしかなれなかったんだな
「今の優しい本人からは想像できねえな……」
そしてそれから告げられた未来の私からの伝言
大切なものを守りたいのなら奪われる前に相手を排除するしかないという絶望的なものだった
「最期に聞かせて。未来の私は……その……まだ、圭介のことは愛してるの？マイキーのことは……」
「それは確実に本人の口から聞いた。何年たっても場地君のことは忘れないし愛してるって
マイキー君のこともやり方は賛成できないけどまだ助けようとしてる
それに一虎君でもせめて助けようとしていた」
……未来の私は本質だけは変わってなかったっことか
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作者名：不思議の国の有栖さん | 作者ホームページ：なし
作成日時：2021年10月19日 22時
