苦労人の佐野家長女の周りには不良しかいない6 (ページ40)

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思い出ページ40

「だからもう無理するのはやめろよ」

「……」

「場地さんはシエルちゃんがいなかったら壊れるんだよ。前にお前が気を失って倒れていた時、場地さん、怪我一つしてねぇはずなのにヤケにボロボロに見えてデカかったはずの背中は酷く小さくなっていたように見えた。目の焦点あってなかったしずっと抱えてたまんま名前を読んでた
意識が戻るまでずっと謝ってたんだよ」

私は千冬のその言葉で思い出す

『シエル、俺のせいでごめんな。俺が一虎を止められなくて。俺が……俺が……』

二年前のあの日からあいつは何も悪くないのに私に謝るのをやめなかった

だから私に甘かったし優しかったし常にそばにいた

それでも私はやっぱり怪我をしてた

……ねえ、圭介

私こそいっぱい謝らなきゃいけないの

だから起きたらじっくりお話しようね
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私は懐かしいことを思い出した

あれは確か恋人になれたての頃

「なぁ、マイキーはマイキーなのだろ？だったら俺のことはエドでよくね？」

「…」

「俺だって特別な呼び方がいいんだよ！恋人になったじゃん！俺ら。エドって呼べよ！なぁ」

「……」

「くだらねえって目でみんなよ」

「エドってダサ」

「お前…口を開いたら本当に余計なことばっかり……」

「私の名前よりいい。外国人みたいな変な名前って言われなくてもいい」

「お前、自分の名前…気にして」

「エマを捨てやがった生物学上の母がつけた名前だけど本当はエマみたいに可愛いキラキラネームじゃない名前が良かった」

「俺はお前の名前、最初は変ていったけど今は大好きだぞ。お前の名前、天とか星っていうキラキラした可愛い綺麗な名前なんだろ？」

「ありがとう…………ケイ」

「そこはエドにしろよ」

「……えぇ」

「むちゃくちゃ嫌がるじゃねえか」

「圭介には似合わない」