苦労人の佐野家長女の周りには不良しかいない (ページ4)

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道場ページ4

おじいちゃんは道場の師範をやっている

真一郎兄は真面目にやっておらずマンジロー兄だけはやってる

「みんな、凄いね。シエル姉」

「……」縦に頷く

「なんだあれに興味あんのか？二人共」

「別に」

「…」

「しかし、よくあんなの飽きずにやるよなー。俺じゃすぐさぼるわ」

現在進行系でサボってるじゃん

「やんないの？」

「俺には必要ねぇからやんねーよ」

もしかして、本当は弱いんじゃないからやんないのでは？とエマと顔を合わせて思ったがいわないであげた

「俺はじいちゃんに見つからねーよにいくからじゃあな！」

あっ、いっちゃった！

「本当、変な人だね」

あ、確かにそれはわかる

「シエル姉、向こうで遊ぼう。この間の絵本、読んでほしい」

エマ、まだ無理してるんだな
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道場で傷だらけで気絶してる黒髪の子を見つけた

どうやら相手にボコボコにされてたようだ

救急箱、どこだっけ？

あ、道場の隅っこにあった

消毒液と絆創膏はここか

なんか床じゃ痛そうだし、膝の上にのせてあげよ

とりあえず手当てしてたら起きた

「イテテテ……」

「……？」

「誰？お前？」

えっと…………

「そんなことより手当てしてくれてたのか？」

首を縦に頷く

「そっか。俺、気絶してたのか。お前、良い奴だな。サンキュー」

久々だな。こういう屈託のない笑顔を見るのは

「それにしても佐野、本気でやりやがった……ぜってえ次こそ負けねえ」

マンジロー兄にやられたのね

しかも負けず嫌いなんだな

それが私と場地圭介との出会いである