苦労人の佐野家長女の周りには不良しかいない (ページ20)

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火傷ページ20

腕の痛みが尋常じゃないし、痛みを我慢するので精一杯で喋る余裕がない

イザナはまだ殴る蹴るなりの暴力を受けて意識は朦朧としている

イザナ、ごめん、私、足手まといだ

私がいかなかったらこんなことにはならなかったよね

本当にごめん

こんなとこで怪我してる場合じゃないのに

早く真兄を呼ばないいけないのに私は何をやっているんだ

イザナの声は聞こえるが周りの声はノイズのように聞こえる

イザナの傍にいる不良の一人が包丁でライターで炙り出した

何をするか理解してした私は掴まれた男の急所をけり飛ばして自由の身にしてから

イザナをギリギリ庇ってジュッ…と肉の焼ける音がした

丁度左腕の切られた傷のところが焼かれた

「うっ」

あまりの痛さで何も考えられなくなった

全身の力が抜けて座り込んだ

「シエル!!なんで俺を庇った!?」

「……家族でしょ？……私達……」

あ、無理しすぎた

傷口をみたけど結構ぐろかった

ステーキみたいで焼けてたからあまりにも気持ち悪い

あまりの痛さで意識が朦朧としてきた

体ももう満足に動かせない中で這い蹲ってくるイザナを見えた

イザナ？なんでそんなに必死な顔でこっちにくるの？

ああ、そうか