苦労人の佐野家長女の周りには不良しかいない (ページ19)

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傷ページ19

のろまなせいでイザナに突き飛ばされて逃げていたらいきなり髪の毛を掴まれた

「いった…」

「あのクソガキの連れの女か。恨むならあのクソガキを恨むんだな」

「っつ…」

髪の毛を引っ張られ全身を引きづられ抵抗しても殴られたり蹴られたりして逃げ出せない

これじやイザナのお荷物だ……

まだ小学2年生の女の私がイザナより年上の中学生か高校生の力に勝てるわけもなくあっという間にイザナのところまで引きづられた

イザナはイザナで倒れて顔やお腹を殴られ蹴られていた

「イザナ！！」

「シエル……」

「クソガキ、全部お前のせいだぞ。自分を恨むんだな」

視界のはしで何かキラリと光るものが見えた

え？なにこれ？

「やめろーーーー！」

イザナが喉が潰れんじゃないかという勢いで叫ぶ

「イザナ？」

ザシュッグシャッ

左腕に強烈な痛みが走った

大きめの刃物に2回切られて血がどくどくと垂れていく

生まれてきて一度も感じたことがない痛みを感じる

なんとか歯を食いしばって叫ぶのをこらえた

イザナのほうが痛いはずだ

だから私の方はまだましだと

「大丈夫」

「っっ！お前、その傷で何いって……」

「平気…イザナよりマシ…」

必死に痛みを堪えてなんとか元気づける

イザナ、なんでそんな顔してるの？

私のせいか……