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転勤先 ページ2
部屋に運んだダンボールから荷物を取り出す。
備え付けの棚やクローゼットにものを置いていく。
時計も愛用しているものを壁に掛けた。
部屋が生活感に彩られて茶色が少なくなる。
空のダンボールを解体して紐でまとめた。
「ふぅー……」
愛用の椅子に腰を下ろすとエアコンが熱を奪う。
あらかじめ買ったペットボトルの水を一口、
体が冷たくなって気持ちいい。
二日後に東京での仕事が始まる。
歳だからかそのことに対して楽しみや不安はない。
それよりも不安なのは、このアパートだ。
日本のヨハネスブルグ、治安最悪の町。
このアパートがまあまあ駅近で格安なのは米花町が大半の理由だろう。
はあああ、と大きなため息をつくと電話が鳴った。
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作者名：榊 リョウ | 作成日時：2019年8月13日 19時
