やっぱり ページ7
「ごちそうさま〜おいしかった〜」
「おいしかったね」
「でしょ! また来ようね〜」
うん、とぎこちなさを隠すように笑みを浮かべる。
あの後、結局彼のことを目で追ってしまった。
何故か自己紹介までしてしまった。
「安室透といいます」
「あっ、西條です。料理おいしいです」
さらに友人が追い討ちをかけるように、
「安室さんってハーフなんですか?」
「この見た目からしたらそう見えますよね。残念ながら日本生まれ日本育ちですよ」
「そうなんですか〜英語の会話聞きたかったなあ」
「英語ですか、どなたか流暢な方でも?」
「この子、実は昨年一年間アメリカにいたんですよ! だからペラペラなんです!」
「いやっペラペラでは」
「ホォー、一年間アメリカに。なるほど。」
零くんに黙っていたことが暴露されていった。
.............
「外で待ってるね〜」
先に会計を済ませた友人が手を振って店の外へ。
財布を片手にレジへ向かうと安室さんがいた。
細かいのがなくてお釣りをもらうことにした。
「お釣りとレシートです」
満面の笑みに嫌な予感がしながらも手を伸ばすと
彼の両手でぎゅっと包まれて、なかなか引けない。
えっ力強。
「あ、あの」
「まだのご来店、お待ちしてます」
強引に抜け出そうとしたらパッと手を離される。
急いで小銭を財布に入れレシートを綺麗に折……。
《090-××××-×××× 連絡しろ》
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作者名:榊 リョウ | 作成日時:2019年8月13日 19時