ある日、未来のトリプルフェイスを拾った。【名探偵コナン】

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お姉さんとコーヒーを楽しみながら待っていると、待ち合わせ場所に現れたのは見覚えのある人たちだった。



「ジョディ！ 遅かったじゃない！」

「急に呼び出しておいてそれはないじゃない。その子が？」

「そう、日本人よ。なんでここにいるかわからないんですって」



警察関係者ってＦＢＩかよ。

おいおいエンカウント早すぎるだろ。知らない場所に飛ばされて四時間で主要キャラ二人に会えるとか幸せすぎないか？ しかもアメリカで！

呼び出されて若干不機嫌そうな彼、赤井秀一は、あたしの顔を見て一言、「日本人か」と呟いた。



「ホー……記憶喪失か？」

「知らないけど、アタシはお手上げよ。何か事件かもしれないからあなたたちに任せるわ」



肩を竦めてお姉さんは去っていった。コーヒー代はきっちり置いてある。デキる女……。

いや待って。去るのが早い。あたしを残して行かないでくれ。さっきから思ってたけど難易度高すぎでしょ。ハードモードかよ。あたしゲームはイージーからだんだん上げて楽しむタイプ。

目の前の席に座る彼は、あたしを注意深く観察している。……んだと思う。さりげないから全くわからないんだけど、たぶん。彼の隣に座る金髪美女は店員を呼んでコーヒーを二つ頼んでいる。

あたしは一般人なので堂々と観察させていただく。赤井秀一の姿だ……。原作の彼は組織に狙われているはずだが、今はまだ潜入中なのか？ いや、それはない。髪が短いから。潜入中は長髪だった。まだ潜入前？？



「私たちはＦＢＩよ。まず話を聞かせてくれるかしら」

「は、はい。と言っても、さっきのお姉さんが言ったことで全部ですけど……」

「名前は？」

「松七五三Aです」

「覚えてる記憶の中でいちばん最近のものは」

「ビジネスホテルで寝てました。格好も今と同じだったはずです」



寝ようとしていたのでコートは着ておらず、こっちで目が覚めた瞬間考えたことは「やばい凍死する」である。しかしこちらの季節は冬ではないようで、コートを着ていなくても寒くない。不幸中の幸いといったところか。



「どこに住んでいたかは覚えてる？」

「東京都……米花市米花町」



さらっと嘘を吐いていくスタイル。調べられたら一発でバレるけれど。



「きみは今まで何をしていたんだ？」

「迷ってました」



もう迷わないって決めたのにね。ハハ。

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