ある日、未来のトリプルフェイスを拾った。【名探偵コナン】

決めたそばから ページ48

迷った。



え？ あたしホテルで寝てたはずだよね？ なんでこんなイケイケな路地裏で寝てるわけ？？ 酔っ払いももうちょっと場所を選ぶよ？？？

と自己ツッコミを入れてから三時間後。迷った。

気づいたら知らないところにいて、とりあえず動き回っていたら最初の場所にも戻れなくなっていた。なにここ、どこ。

聞こえてくる声は英語ばかりで、まわりの人も絶対に日本人じゃねえなって人たちばっかり。絶対に日本じゃないことはわかるんだけど、えー待ってここどこ……。

夢？ まさか夢なのか？ と考えて頬を抓っても腕を抓ってもお腹を抓っても痛みはある。終いには壁に頭を打ちつけてみたが、頭がひどく痛んだだけで現状は何も変わらなかった。



「完璧に頭の打ち損じゃねえか」

「Are you Okey？」

「アー……I'm sorry, I can't speak English. I am Japanese.」

「あらごめんなさい、日本語で話せばよかったわね」

「おっと流暢な日本語キタコレ」



英語で話しかけられたので、学生時代猛練習したフレーズを返すと、流暢な日本語が返ってきた。キタコレと思って振り向けばそこにはブロンドのきれいなお姉さん。

日本語が話せる人らしく、ものすごく助かった。ほんとに。こんな奇跡ってある？



「大丈夫？ 強く頭を打ちつけていたようだけど……」

「大丈夫です、ありがとうございます。恐れ入りますが現在地を教えて頂けますか」

「ニューヨーク市ブルックリン区のブルックリンカレッジの前よ。あなた、知らないで来たの？」



当然のように返される。知らないで来ました。

というか難易度高すぎやしませんか。知らないうちにアメリカにいるってどういう状況？？ どうやって帰れと？？ あたしは日本から一度も出たことありませんのでパスポートなんて持ってないよ？？？

お姉さんに目が覚めたらここにいたと正直に説明すると、信じられないものを見るような目で見られた。気持ちはわかるけど、あたしにその目を向けられても困るんだよな？？



「うーん……何かの事件に巻き込まれているのかしら。よくわからないけれど、友達に警察関係の人がいるの。連絡してみるわ」

「ありがとうございまァす！！！」



予想外にいい人過ぎて目から汗が出てきそうだ。

お姉さんと待ち合わせ場所である近くのカフェに入り、その警察関係者だというお友達さんを待った。

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