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売り物にしてるだけあってめちゃくちゃ美味しい朝食(自画自賛)も終わり、食器を片付けて一息つく。今日はお仕事がお休みの火曜日です。
もう一度テーブルを挟んで少年と向き合った。
「本題にいこう。少年はなんでウチの前にいたの？」
「……全部屋、回ったんですけど……どの部屋も、留守かすぐに閉められるかで、最後の部屋で力尽きました」
「なるほど。家出とかじゃないよね？」
「違います」
少年は俯いた。家出じゃないならなんなのか。とりあえず面倒事だけはやめてほしい、切実に。
「あの……ここがどこか、わからなくて」
ただ恥ずかしかっただけらしい。よかった面倒事じゃなくて、確かに十四にもなって迷子は恥ずかしいと思うだろう。気が強そうだし、なおさら。
無愛想な子だけど、恥ずかしそうにするその姿がかわいくて、口角が上がってしまう。やばい今めっちゃニヤニヤしてる。マンガ読んでるときみたいになってる。やばい。
少年は笑われてることを不服に思ったらしく、じとりと睨んできた。ただし頬がうっすら赤らんでおり、睨む顔すらもかわいく見えてくる。
「……ニヤニヤしすぎです」
「ごめんごめん、なんか意外だったからさ。きみ、しっかりしてるし」
「よく言われます」
「はは、笑っちゃったお詫びにおねーさんが家まで送ってってあげよう。住所言える？」
車のキーを人差し指に引っかけてくるくる回しながら立ち上がると、少年はほっとした様子でお礼を言った。
うん、笑顔はないし人見知りっぽいとこあるけど、かわいくて根はいい子だな。将来有望。さすがに十才離れてる子に手は出さないけど(しかも未成年！)。
「住所は、東京都米花市米花町＿＿＿＿＿＿」
「待って」
「え」
「待って」
まさかこの子もコナンファンか。というよりオタクの域だな。
なんかどちらかと言うとマンガやアニメを好んで見るような子じゃなさそうなのに、こういう場面でコナン風の冗談を言うとは……がっつりオタクのようである。
仲間を見つけて親近感が湧いてきた。この子とは仲良しになれそうだ。
「もー、コナン好きなのはわかったからちゃんと答えてよ」
「は？ コナン？」
「ま、それだけ似てりゃ好きにもなるか……。未来の百億の男候補だねっ」
「何の話ですか」
「え？」
目と目を合わせる。
「……え？」「……え？」
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えりんぎ苺(プロフ) - バッグ・クロージャーさん» 面白いと言っていただけて嬉しいです……！ 楽しみにしていただいているので、更新頑張らなくっちゃですね。コメントありがとうございました！ (2020年5月25日 16時) (
レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ苺(プロフ) - ひかりさん» 面白いと言っていただけて嬉しいです。すぐに反応していただけるとは……わたしは幸せ者ですね！ 更新頑張ります。コメントありがとうございました！ (2020年5月25日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
バッグ・クロージャー(プロフ) - すっごく面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2020年5月25日 16時) (レス) id: 09ffad4c5f (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - めちゃ面白いです！さっき更新された話もまじ良かったです！ 更新待ってますっ！！ (2020年5月25日 16時) (レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ苺(プロフ) - サクラさん» 面白いだなんて、すっごく嬉しいです！ 零くん視点の予定はなかったのですが、もしお待ちいただけるのなら、完結後に番外編として書かせていただきたいのですが、よろしいでしょうか？ コメントありがとうございました！ (2020年5月25日 13時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ苺 | 作成日時：2020年5月21日 19時
