夕食 ページ13
今日も今日とて師匠の雑用に終わった。せめて補佐くらいには昇進したい……けど、実力が伴っていないので文句は言えない。努力あるのみである。
なんだかんだ言って師匠は優しいので、いつもより三十分早く上がらせてくれた。十九時半なのでまだお客さまもいたし、後片づけも終わっていなかったのに、「今度会わせてね〜〜」と笑顔で超高速包丁さばきを見せていた。ヒェ……。
車まで急ぎ、信号すらも急ぎ、スーパーマーケットで食材を急いで購入し、とにかく急いでアパートに向かった。それでも速度は守っているし、食材も鮮度高くて美味しいのを厳選している。
そんなこんなで部屋に着き、鍵を回す時間すら惜しくて、ガチャガチャ音を立てながら半ば飛び込むようにして家に入ると、そこには零くんが立っていた。
「おかえり！」
「っっ……ただいまぁ〜〜〜！！」
「ど、どうしたんだ？ まさかいじめられたのか……？」
ぱっと花が咲くような笑顔での「おかえり」ありがとうございます美味しくいただきます。まあ崩れ落ちるよね。なんか胸がきゅううってなった。は〜〜マジでギルティ。存在がギルティ。
崩れ落ちてしまったあたしの顔を、眉を下げた零くんが覗き込んだ。あーかわいい。なんかもうすべてがどうでも良くなってくるね。
「だ、大丈夫。ちょっとあたしの心の醜さに気づいてしまっただけだから」
「？？ 大丈夫なんだな？ ……あ」
「なあに？」
「おかえり！」
ハイ二度目のおかえりいただきました！ 笑顔でしかも至近距離。
仕事で荒んだ心が癒されていく。言うほど荒んでなかったじゃんとツッコんだら負けだ。とにかくあたしは降谷零という男の素晴らしさを噛みしめている。日本に生まれてよかった！ 日本万歳！
零くんはきょとんとして首を傾げた。
「言ったっけ？」
「言った……」
「そうか。なあA、僕お腹空いた！」
「すぐつくりマス……」
キッチンに入って冷蔵庫に買ってきた食材を入れ、スパゲティの麺を茹でながらホワイトソースとミートソースをつくる。同時進行は大得意。さらに同時進行で野菜を刻んでおく。スープ用とサラダ用だ。
一目惚れしたおしゃれなグラタン皿に麺と二つのソース、チーズを盛り付けて、オーブンで焼いている間にスープをつくりサラダを盛り付けた。
夕飯はスパゲティグラタンとサラダとスープ。
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えりんぎ苺(プロフ) - バッグ・クロージャーさん» 面白いと言っていただけて嬉しいです……！ 楽しみにしていただいているので、更新頑張らなくっちゃですね。コメントありがとうございました！ (2020年5月25日 16時) (
レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ苺(プロフ) - ひかりさん» 面白いと言っていただけて嬉しいです。すぐに反応していただけるとは……わたしは幸せ者ですね！ 更新頑張ります。コメントありがとうございました！ (2020年5月25日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
バッグ・クロージャー(プロフ) - すっごく面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2020年5月25日 16時) (レス) id: 09ffad4c5f (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - めちゃ面白いです！さっき更新された話もまじ良かったです！ 更新待ってますっ！！ (2020年5月25日 16時) (レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ苺(プロフ) - サクラさん» 面白いだなんて、すっごく嬉しいです！ 零くん視点の予定はなかったのですが、もしお待ちいただけるのなら、完結後に番外編として書かせていただきたいのですが、よろしいでしょうか？ コメントありがとうございました！ (2020年5月25日 13時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ苺 | 作成日時：2020年5月21日 19時
