ある日、未来のトリプルフェイスを拾った。【名探偵コナン】

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途中から零くんをでろでろに甘やかし隊に参加した奥さまも、零くんのかわいさにやられていた。やっぱり零くんは世界を滅ぼしてしまうほどかわいい。

零くんは師匠を「師匠」と呼び、奥さまを「奥さま」と呼んだ。はーほんとかわいいかよ。呼び方ぜんぶあたしのが移ってんじゃねえか。素直かよかわいいな……。



「師匠、Aはいつもお仕事どんな感じですか？」

「がんばってるよ。もともと才能あるけど、あれは努力型の秀才だね」

「Aですからね」

「Aちゃんだもんね」



こんな会話がされていたときは息が止まるかと思った。師匠、そう思ってくれてたんですね。一生ついて行きます……。

Aですからねって何？ 努力型の秀才だって思ってくれてたってことなの？？ むり好き。零くん大好きだよ結婚しよう……思考が犯罪チック……。


零くんは席に座ってお勉強していたり、いらしたお客さまに愛想よく振る舞っていたり、気分転換に外に散歩に出たりと一日満喫していた。

師匠はおやつにお茶を点てて高級和菓子を出した。零くんが一度遠慮してから「一緒に食べましょう」と誘ったので、師匠は悶えることを余儀なくされた。

まじ、零くん、罪深い(ギルティ)。


そんなこんなで夕食を食べに来てくださったお客さまも最後の一組になり、後片づけもほとんど終わった。



「Aちゃん、今日はもう帰っていいよ」

「師匠！ でもまだ掃除が……」

「まさ子がしてるよ。今日は零くんがいるし、あの子はもう眠そうだ」



零くんに目を向けると、零くんは勉強道具を片づけながら舟を漕いでいる。初めての場所で知らない人にいっぱい会ったので、さすがの彼も疲れたようだ。

ありがたく上がらせてもらうことにして、調理服から私服に着替え、荷物をまとめる。「零くん」と声をかければ、彼はぱっと飛び起きて顔を綻ばせた。



「A！ もう終わったのか？」

「うん、もう帰って良いって師匠が。帰ろう」

「ちょっと待って、片づけるから……」



零くんが急いで勉強道具をまとめる。一瞬で片づけが終わり、零くんは立ち上がって、当然のようにあたしの手を取った。かわいい……。

師匠と奥さまに挨拶をして車で帰宅。零くんがぽつりと、



「仕事してるA、かっこよかったな」



と言ったものだから、あたしは抑えきれずに零くんに飛びついた。

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