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「はぁっ……はぁっ……」
痛い。
苦しい。
こんなことを考えたのはいつぶりだろう。
撃たれた右腕を庇いながら、重い足を引きずって一歩ずつ前へと進む。
踏み出した足からふっと力が抜けバランスが崩れた時、一瞬前まで私の肩があった空間を銃弾が掠めた。
「……っ!」
(向こうも本気か…データは父さんに送ったし、一応任務は終わったから、もう…いいかな)
しつこく追ってくる追っ手に辟易し、「死」という単語が安易に頭をよぎる。
人間とは不思議なもので、無心に雑念が少しでも混ざればあっという間に体は制御を失ってしまう。
そのタイミングを待っていたかのように、今度は左足に鋭い熱が走った。
このスナイパーはいい腕をしている。
朦朧とする頭で、他人事のようにそう思った。
視界がブラックアウトしていく中、遠くに人影が見えた。
(あぁ、追いつかれちゃった……。ここまでかな……)
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作者名:海鈴 | 作成日時:2018年5月15日 11時