アスカンタの城へ ページ4
イシュマウリはハープの弦を弾いた
するとパヴァンはそれに気付き
ゆっくりと振り向いた
「嘆きにしずむ者よ。
かつてこの部屋に刻まれた面影を
月の光のもと再びよみがえらせよう」
イシュマウリがまた
弦を弾けば
何も無かった場所に1人の女性が現れた
きっと彼女はパヴァン王の妻であり、
レイラの義理母シセルだった
「これは？
違う覚えている
これは君は
『あなた
どうしたの、あなた？』
「シセル！
会いたかった。
あれから2年、
ずっと君のことばかり考えていたんだ。
『まだ今朝のおふれの事を気にしているの？
あなたは優しすぎるのね。
でも、時には厳しい決断も必要
王様なんですもの
みんな、あなたを信じてる。
あなたがしゃんとしなくちゃ。
アスカンタはあなたの国ですもの
パヴァンとシセルの会話は噛み合わない
彼は自身の愛人を追いかけるように歩き出した。
ねえねえ、聞いて！
わたしのは秘密。
君が考えついたのなら
その名前がいいよ。教えてくれ
『あなただって、
ちゃんと思いついたんでしょ
仔犬の名前
『ばかね、パヴァン
あなたが決めた名前が
世界中でいちばんいいに決まってるわ。
わたしの王さま。
自分の思う通りにしていいのよ。
「そうだ。
彼女はいつだってああして
僕をはげましてくれた。」
『シセル。
どうして君は、そんなに強いんだい？
お母さまがいるからよ
『母上？
だって君の母上は
ずいぶん前に亡くなったと
シセル
『わたしも本当は
弱虫でだめな子だったの。
いつもお母さまにはげまされてた。
お母さまが亡くなって
悲しくてさみしくて
こう考えたの。
わたしが弱虫に戻ったら
お母さまはほんとうにいなくなってしまう。
お母さまが最初からいなかったのと
同じことになっていまうわって
はげまされた言葉
お母さまが教えてくれたこと
その示す通りにがんばろうって。
そうすれば
わたしの中にお母さまは
いつまでも生きてるのずっと
「シセル
僕は僕も君のように」
『ねえ、テラスへ出ない
今日はいい天気よ
きっと風がきもちいいわね？』
『ほら、あなたの国が
すっかり見渡せるわパヴァン
アスカンタは美しい国ね』
「ああそうだね」
『わたしの王さま。
みんなが笑って暮らせるようにお願いね！」
最後、母さまが何を言おうとしたのかは
それを記憶している彼にしかわからかった
朝日が昇ったことで
消え母さまが消える
「覚えてるよ
君が教えてくれたことすべて
僕の胸の中に生きてる
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒里夜桜(プロフ) - 申し訳ありません！ノワールさんがリクエストして描いたイラストがよくよく見たら間違っていたので修正しました(＞人＜;)本当に申し訳ございません！！ (2018年8月22日 21時) (
レス) id: dfb877d194 (このIDを非表示/違反報告)
はる-春-(プロフ) - リクエストして頂いたイラストが完成しました。イラスト集に載せています(*^^*) (2018年7月27日 19時) (携帯から) (レス) id: 6f0907a210 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：スピカブラック | 作成日時：2018年7月19日 16時
