20忘れていた事態(ﾛｰVer.) ページ21
-ロー視点-
買い物を終え、荷物を置きに部屋へ向かう。
本棚へ本を片付けていると
ふと声をかけられた。
『あの…私 部屋がないです』
！？…忘れてた。
いつもの虎を連れてきているつもりだったが、今アイツはAの姿だ。いや人間が本来なんだが……。
だが困った事に空き部屋はない。
「…生憎、この船には空き部屋がねぇ」
『…ですよね』
かと言って…
部屋替えをする手間と居候期間を考えると答えは明白だ。
「…心配するな。ココを使え」
俺の提案に反論するA。
『船長さん、私これでも女なので…その……』
気にしてるのか…
「心配するな。虎にそんな気はねぇ」
『…は？』
「荷物は適当に置いて構わない。ただし、医学の所には混合させるな。着替えの時は互いに声をかければ済む」
いろいろと取り決めておけば、困ることも無いだろう。
『いやいや、私 虎の前に人間です！女ですから！！………異性と二人っていうのはさすがに…』
あぁ。そこか……
「なら、お前がベットを使え」
『いいえ、船長が床で寝るなんて！私が床で』
人が優しさで譲ってやったのに食い下がる奴だな…
「誰が床で寝ると言った。ココだ、さすが虎だな」俺はドカッとソファーに腰かけた。
面倒くせぇな……
『また動物扱いして！私は人間です！！』
「だから言ってる。お前はベットを使え」
『もっと優しい言い方とかあるじゃないですか。逆撫でするように言わなくても』
「生憎、かったるい言葉を持ち合わせてねぇな」
Aは始めこそ敬語でおどおど話す感じであったが、今では流暢に話してやがる。
やっぱり怒った方がよく話すな。
『ならお望み通り私がベットを使います！！…後で後悔しても知りませんからね！』
気付くといつの間にか、Aは俺の前の机をバンっと叩き、更に悪態をつきやがった。
「なんだ、一緒に寝て欲しいのか？」
俺に啖呵切るなんて上等だな
『はっ…////』
一瞬、後ろに退いたかと思ったら
再び悪態をついた。
『ばっかじゃないですか//誰が貴方と一緒に！？とにかく私がベットですから！！』
そういい放ち、Aは
船長室を飛び出していった。
ククッ……
やっぱり怒るとよく喋る女だ。
強気な女は嫌いじゃねぇ。
でも、あんな顔しちゃあなぁ……
俺も本当に情が移っちまったのか
ついくってかかってしまう
いつも違い、気にかける存在に
興味と微かな戸惑いを
俺は感じていた。
→next.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ファニー☆(プロフ) - ちいさん» ありがとうございます(*´▽｀*)嬉しいです！励みになります♪私の願望で描いております(笑) (2020年4月19日 6時) (
レス) id: b49809007e (このIDを非表示/違反報告)
ちい - めっちゃ好きな感じの話です！ 私もロー大好きなので美味しいです(笑)続き楽しみにしてます！ (2020年4月19日 2時) (レス) id: 51140f54c4 (このIDを非表示/違反報告)
ファニー☆(プロフ) - 星猫さん» ONE PIECE、大罪、おそ松くん、地獄楽やら いろいろありますよ！ (2020年3月29日 9時) (レス) id: b49809007e (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2020年3月29日 9時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ファニー☆ | 作成日時：2020年2月19日 12時
