白虎の化身

19忘れていた事態 ページ20

-ヒロイン視点-

あれから、船長さんやベポ達と合流して
一度 船へと戻った。


荷物を置こうとして問題が起こる。

数冊の医学書片手の船長さんと
服やら買った私の行き先は









同じ船長室。



しまった！？

いつものように居場所へと戻ったつもりが…







私の部屋……ない

そうか虎の姿の時は船長室で寝てたもんな


事態に気付いた私は医学書を本棚に置いていた船長さんに声をかける。
『あの…私 部屋がないです』


私の呟きに振り向き一瞬目を見開く船長さん。
どうやら船長さんも
気づいてなかったみたいだ(笑)

「…生憎、この船には空き部屋がねぇ」

『…ですよね』
虎の姿の時に船内は歩き回っていた。
空き部屋が無いことは百も承知。
だから…より困っている。


考えて込んでいた様子であったが
暫くして船長さんが口を開く。
「…心配するな。ココを使え」

え！？優しい…って違う！！

いやいや、私これでも女の子…

『船長さん、私これでも女なので…その……』

「心配するな。虎にそんな気はねぇ」

『…は？』

「荷物は適当に置いて構わない。ただし、医学の所には混合させるな。着替えの時は互いに声をかければ済む」

淡々と決めていく船長さん。


『いやいや、私 虎の前に人間です！女ですから！！』

思わずツッコミを入れてしまう。

なんだ優しいのか。
酷い人なのか分からない。

『異性と二人っていうのはさすがに…』

「なら、お前がベットを使え」

『いいえ、船長が床で寝るなんて！私が床で』

「誰が床で寝ると言った。ココだ、さすが虎だな」
そういいながら、船長さんはドカッとソファーに腰かけた。ソファーにもたれかかり両肩を乗せ、足を組み…何とも態度がデカい。







く、なんだか生意気だ…
いや、確かに私は居候の身だけど
この見下され感は何っ！？



『また動物扱いして！私は人間です！！』

「だから言ってる。お前はベットを使え」

『もっと優しい言い方とかあるじゃないですか。逆撫でするように言わなくても』

「生憎、かったるい言葉を持ち合わせてねぇな」



ますます生意気なぁー！
憤りを感じたが、ベットを使えるという
好条件に何とか気持ちを落ち着かせる。

『…ならお望み通り私がベットを使います！！』
ソファー前の机をバンっと叩きながら…
言ってやった！



『後で後悔しても知りませんからね！』
嫌みったらしく、あっかんべーをしながらいい放ってやった。





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