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酔いのせいで着替える気力もなく、ソファにうつ伏せで寝ていると
ガチャ。
…あ、郁人くん来たかな?
そう言えばご飯誘ったんだった
やばい、何も用意してない…
おまけに酔ってるなんて最低だな、私
バタンッ!!
勢いよく閉じたドア
思わずびくっと体をすくめると、郁人くんの足音が近づいてきた
彼は鞄を床に放り投げて私の前に立った
『お帰り、郁人くん…
あ、あのね晩ごはん――――』
言いかけたところでいきなり視界が天井に変わった
え… 何、これ。
目の前には郁人くんがいて、どうやらソファに押し倒されてる状態
郁「…なんか言うことないの」
彼の明らかに怒っている顔と声
謝る理由を必死に探したけど見つからない
『…あっ、ご飯なんだけどね すっかり忘れてて』
郁「それじゃねぇから」
郁人くんは更に苛立ちをあらわにして、顔をぐっと近づけてきた
掴まれた手首への力は緩むことなく更に強さを増す
『いっ……』
郁「Aさぁ、分かってんの?」
普段の優しくて照れ屋な郁人くんの姿はどこにもなく、目の前にいる彼からは怒りしか読み取れない
痛い、それしか考えられなかった
郁「今日、飲んでたんだ」
『あ…うん。 橋本さんと』
郁「…やっぱり」
『仕事の愚痴聞いてもらっただけだよ』
……だめだ、今なに言っても言い訳にしかならない
『ごめん、』
今にも溢れそうな涙を堪えて声にならない声で呟くと、郁人くんはおもむろに私の手首を離して馬乗りをやめた
郁「わり…ちょっと頭冷やしてくる」
郁人くんは足早にリビングを出ていった
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みき(プロフ) - 郁人くんにキュンキュンです。続きが気になります。期待しています。 (2018年4月28日 1時) (レス) id: c6a745cf23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃんこけし | 作成日時:2018年2月4日 17時