No.04 再会 ページ5
約10分程歩いて、Aは目的の家に着いた。
大きな門構えがある立派な一軒家。表札には『工藤』という名が書かれている。
そのままインターホンを押そうとしたAだったが、
「…………、」
ふと手を止め、振り返った。
後ろを振り向いても、あるのは物静かな住宅街だけ。
ただ、Aはわかっていた。そもそも組織に属する彼女にバレない尾行をするには、素人が多過ぎた。
なので、一言だけ告げておく。
「用事があるなら後でどうぞ。」
「………………」
返答を待つ事無くインターホンを押す。そして返ってきたのは、
『………はい、どちら様でしょう？』
青年ほどの、男の声。
「工藤有希子様を訪ねて参りました。いらっしゃいますか？」
『…………どうぞ、入って下さい。鍵は開いています。』
Aは自然な動きで門を押して入り、玄関まで歩み寄った。
そして、一度ノックをしてから玄関を開けようとしたのだが、
ギィ……
「お邪魔しま…」
バンッ！！
ギュゥウウッ
「Aちゃぁんっ！！！元気だったぁ〜〜…って、あら？？？」
扉を僅かに引いた瞬間、反対側から勢いよく開けられほぼ同時に飛び出してきた人影に思いっきり抱き付かれ、Aはしかめっ面をした。
「あら？…………あらぁ？？？」
「…………苦しいです、有希子さん。それと抱き付かないようにと前々から言っているでしょう。」
「あっ、ごめんなさいね。…………ところで貴女、何処の子かしらぁ？」
「……………………」
首を傾げて尋ねられ、Aはさらにしかめっ面をした。別に誰か認識されなくてこんな表情している訳ではなく、
「“わかっている”のに、そういう事したがるのは貴女の悪い所です。」
「あらっ、私若いからついねぇ♪」
「……………」
Aが仏頂面したのは言うまでもない。
「冗談よ冗談っ。そんな嫌そうな顔しないでよぉ。」
「……………」
「ほらほらいつまでもそんな顔しないで入って頂戴♪ようこそ、我が家へ♪」
「………本来は貴女の息子さんの家でしょう。」
ため息をつきながらAは家へと入っていった。
………………隣の家から、楽しそうな子供達の声が聞こえてきていた。
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文月鎖夜(プロフ) - ちょこちょこですが小説進めてます！ (2016年4月24日 14時) (
レス) id: 3c35e627c1 (このIDを非表示/違反報告)
文月鎖夜(プロフ) - 神さん» ありがとうございます(*^▽^*)頑張らせて頂きます！！ (2016年4月10日 21時) (レス) id: 3c35e627c1 (このIDを非表示/違反報告)
神 - 面白いです！！更新頑張ってください！ (2016年4月10日 21時) (レス) id: 36229bb8d8 (このIDを非表示/違反報告)
文月鎖夜(プロフ) - かりんとうさん» ありがとうございます*^^*これからも世良はちょくちょく出そうと思ってるので^^* (2015年11月27日 0時) (レス) id: 8b8cd9f128 (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - 乙です〜！世良ちゃんはやっぱり可愛いですね(( 主人公も可愛い*^^* (2015年11月26日 23時) (レス) id: 87f8bb60e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文月鎖夜 | 作成日時：2015年7月8日 16時
