No.28 逃走 ページ29
「……とにかく、私はこれで失礼します。明日の連絡は後でコナン君から聞きますから」
こちらをまじまじと見てくる視線に背を向けて歩き出す。すると後ろからバイバーイ！と声を掛けてくる子供達に一瞬面食らったものの、ふぅ……とため息を吐いて後ろは振り返らず手だけひらひらと振り返した。
…………ガチャッ、カラァン
「あれ、コナン君達じゃないか？」
と、そこで背後から扉が開きドアベルが鳴る音が響き、次いで、男の声が聞こえてきた。
「(……！？！？)」
その瞬間Aの顔から余裕が消える。
「あ、安室の兄ちゃん！」
「あれ、今日はバイト休みって言ってなかったっけ？」
「そうだったんだけど、こないだ用事があって休んでしまったから、その埋め合わせでね。君達こそ何してるんだい？」
「今ね、Aお姉さんも動物園に連れていってもらえるように園子お姉さんにお願いしてたの！」
「Aお姉さん？」
「ほら、あそこを歩いて………って、あれ？」
「……っ……」
歩美がAのいる方向を指さす寸前に、間一髪でAは横の路地に入り込んでいた。不思議そうな子供達の声が聞こえつつも、Aは焦って少し乱れた呼吸を整える。
「(シフトじゃない時にいるなんて、完全に予想外……今、顔を合わせるのはまずい……！)」
険しい表情で足早に歩き続けるAの視線の先には、肩にかける大きなカバン。
「(前に私がこれを持っている所を彼は見た事があるはず……それを今私が持っている所を見られたら、バレる……！)」
タッタッタッタッ……と物が地面に散乱する路地をものともせず淡々と歩き進んでいくA。路地裏らしく人気もなく静かな空間に、やけに足音が響く。そして、
タッタッタッタッ……
……タッタッタッタッ……
「…………」
静かな路地裏に、Aの足音にそっくりな……否、同じ速度で歩く足音が響いていた。
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文月鎖夜(プロフ) - ちょこちょこですが小説進めてます！ (2016年4月24日 14時) (
レス) id: 3c35e627c1 (このIDを非表示/違反報告)
文月鎖夜(プロフ) - 神さん» ありがとうございます(*^▽^*)頑張らせて頂きます！！ (2016年4月10日 21時) (レス) id: 3c35e627c1 (このIDを非表示/違反報告)
神 - 面白いです！！更新頑張ってください！ (2016年4月10日 21時) (レス) id: 36229bb8d8 (このIDを非表示/違反報告)
文月鎖夜(プロフ) - かりんとうさん» ありがとうございます*^^*これからも世良はちょくちょく出そうと思ってるので^^* (2015年11月27日 0時) (レス) id: 8b8cd9f128 (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - 乙です〜！世良ちゃんはやっぱり可愛いですね(( 主人公も可愛い*^^* (2015年11月26日 23時) (レス) id: 87f8bb60e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文月鎖夜 | 作成日時：2015年7月8日 16時
