No.22 “あの方”のお気に入り ページ23
「………で、どうしよう。」
阿笠宅を出たAは、遠い目をして呟いた。
現状Aは、居場所無しだ。頼みの有希子も今は出掛けており、工藤宅に戻る訳にはいかない。単純にAが戻りたくないだけなのだが、そうすると行くあても無くなってしまう。
「(……はぁ、仕方ない。コンビニにでもいるか。)」
取り敢えずAが適当に場所を決めて住宅街から出ようと数歩足を進めたところで、
………prrrr prrrr prrrr prrrr
ポケットの中の携帯が鳴り出した。
「…………」
Aが足を止めて携帯の画面を見ると、そこには英語で名前が記されていた。
「…………ほぅ。」
Aは何処か納得した声を漏らして歩き出しながら電話に出た。
「………こんにちは、ついさっき振りですねぇ。」
先程までの少女らしい声とは違い、大人びた美しい女性の声で。
『……………やっぱり生きてたのね。』
「どの口が言います。大体分かってやったくせに。」
Aは今までの無表情が嘘のようにクスクス笑いながら口を開いた。
「私を始末できなくて残念でしたね、“あの方のお気に入り”さん？」
「………普通に“ベルモット”と呼びなさいよ。」
カチャン、チャキ
曲がり角、そこに一歩踏み出したところでスッと横から拳銃を突きつけられたAは、黒い服を纏った真横の人影に視線を向ける事なくまたにこやかに話した。
「それとも何です？私を始末する気は無かったと？むしろ逆に……」
「Shut up.(黙れ。)」
「…………」
より強く拳銃を押し付けられ、Aは微笑んだまま口を閉ざした。
「黙ってついてきなさい。話があるわ。」
黒い服の人影……黒の組織の幹部級の一人、ベルモットは厳しい表情のままAに告げた。
Aはそれに、微笑んだまま従った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 220人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
文月鎖夜(プロフ) - ちょこちょこですが小説進めてます！ (2016年4月24日 14時) (
レス) id: 3c35e627c1 (このIDを非表示/違反報告)
文月鎖夜(プロフ) - 神さん» ありがとうございます(*^▽^*)頑張らせて頂きます！！ (2016年4月10日 21時) (レス) id: 3c35e627c1 (このIDを非表示/違反報告)
神 - 面白いです！！更新頑張ってください！ (2016年4月10日 21時) (レス) id: 36229bb8d8 (このIDを非表示/違反報告)
文月鎖夜(プロフ) - かりんとうさん» ありがとうございます*^^*これからも世良はちょくちょく出そうと思ってるので^^* (2015年11月27日 0時) (レス) id: 8b8cd9f128 (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - 乙です〜！世良ちゃんはやっぱり可愛いですね(( 主人公も可愛い*^^* (2015年11月26日 23時) (レス) id: 87f8bb60e7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：文月鎖夜 | 作成日時：2015年7月8日 16時
