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携帯のアラームが部屋に響き渡る
いつのまにかまた眠ってしまっていた私は目を開けた
すると、さっきまで私の隣で寝ていた風磨さんがいつのまにか起きていてベッドに腰掛けていた
いつも私の方が先に起きるのに、風磨さんが起きているなんて少し違和感。
携帯のアラームを止めて、挨拶をしようとしたけれど
少し見える横顔が
あまりに切なそうで
視線を全く動かさない黒い瞳に声がつまった
嫌でも何を考えているのかわかった
考えないようにしていた。あの事実
きっと風磨さんは私と一緒にいる度に、選択を強いられているのかもしれない
私を選ぶか、彼女さんを選ぶか。
風磨さんの心の中に今浮かんでいるのは誰ですか？
「起きた？おはよ」
私がじっと見ていた横顔が少し振り向いて戸惑う私に優しく声をかけた
切なそうな顔を残しつつもいつもの私を見る優しい微笑みを浮かべた
すると悩ましげな姿はゆっくり向きを変え、私が眠る布団へもう一度潜り込んできた
私の方に体を向けて寝転がる
風磨さんの体温が再び私を包んで、私たちは同じ温かさを共有する
それでも私も風磨さんもお互いの目線を合わせることができなくて
言葉一つ交わさない二人の間に流れる重く固まった空気
こんなに二人の距離は近いけれど
私たちはいつも距離がある気がする
きっとそう感じてるのは私だけじゃないはず。
何も語らないその瞳は、風磨さんの揺るぎない何かを映しているような気がして
その顔がとても怖いんだよ。
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しばらくすると風磨さんはいつものように帰り支度を始めた
こうなるともうさっきまでの深刻な雰囲気も、寝る前の甘い空気もなかったかのように二人は先輩後輩に戻る
脱いでいた上着を羽織り、持ってきていた携帯と財布を手に取り玄関へと向かう
「じゃ、また後で」
「はい、昨日はありがとうございました」
「ん。」
そう言って優しく微笑んだ風磨さんは少し明るくなった外の世界へ出かけていった
踏み込まない。
こうやっていつも通り接していけば何もなく風磨さんと楽しくできるんだから、確認なんてしなくていいんだ。
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☆ - すごくドキドキしながら読みました！パート1のコメント欄に間違い2ヶ所指摘したので直してもらえたら嬉しいです。 (2019年6月8日 18時) (
レス) id: 44d28ad2ed (このIDを非表示/違反報告)
向日葵 - お久しぶりです。これかも頑張って下さい！！ (2018年11月11日 12時) (レス) id: dbebb99bb5 (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - はじめまして。一気に読ませていただきました。更新楽しみにしています！ (2018年9月4日 11時) (レス) id: be08ec388e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫空 | 作成日時：2018年9月4日 7時
