第十話 出会い編四 ページ12
翌日、眼を覚ましたAは軽く驚き、辺りを見渡した。
貴「………此処は……？
なんで蒲団で寝ていたの……？」
すると襖が開き、深緑の浴衣を着た福沢が這入って来た。
福「眼が覚めたか。
身体の調子は如何だ？」
貴「大丈夫です。
あの、此処は何処なんですか？」
福「俺の家だ。昨日云っていただろう」
貴「……此処は、素敵な家ですね。
畳の香りがして、和風で。
落ち着きます」
Aの言葉に福沢は口元を緩め、嬉しそうに眼を細めた。
福「そうか。それは善かった。
それと、風呂でも這入るか？血が付いている」
福沢の視線を辿ると、身体の至る処に血が付いているのを発見した。
貴「蒲団に血が……」
福「蒲団など如何でも善い。
服は……俺の一番小さいのを貸そう」
貴「有り難う御座います、諭吉さん」
Aが礼を云うと福沢は耳を紅く染め、背を向けた。
福「着いて来い。風呂場迄案内する」
慌ててAは蒲団から飛び出し、福沢の後ろへ着いた。
福沢は自分の後ろへAが居ることを確認すると、
Aの歩調に合わせて歩き始めた。
少し歩き、風呂場に着くと福沢はAに手拭いを二枚渡し、
服を持ってくる、と云って足早に立ち去った。
Aは服を畳んで置き、手拭いを身体に巻き付け
中へと這入った。
貴「大きい……。
そして檜風呂」
中は、男五人が同時に這入ったとしても
未だ余裕が在るのではないか、と云う位広く、
其の奥の方に大きな檜風呂が在った。
躰を泡立て、念入りに身体に付いた血を落とし、
髪の色と同化して判らない血も落とした。
其の後、ゆっくりと湯が張ってある檜風呂に入り、身体を伸ばした。
貴「…………母さん達も、一緒に入れたら良かったな……」
呟いた自分の言葉が風呂に響き、
何回も反響して耳に入ってくるのに耐えきれず逃げるようにして風呂から出た。
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アミ(プロフ) - 二十一話の最後、吹きました…まさかですよ (2017年8月26日 21時) (
レス) id: 414d8a5104 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 ?^?ω?^?(プロフ) - 何回読んでもすごく面白いです！ (2017年8月7日 23時) (レス) id: a4b4b6f943 (このIDを非表示/違反報告)
loveΣ(プロフ) - 有り難う御座います！出来るだけ早めに更新しますが、色々都合上ほぼ休日に更新すると思います。暫しお待ち下さい！ (2017年4月25日 18時) (レス) id: d9249ee997 (このIDを非表示/違反報告)
ファーストMe - めちゃくちゃ面白かったです！続き待ってます！(*^▽^*) (2017年4月25日 8時) (レス) id: d48a818a0f (このIDを非表示/違反報告)
loveΣ(プロフ) - 黒猫 ?^?ω?^?さん» 有り難う御座います！更新スピード上げれたら上げますね(*~~▽~~*)ゝ (2017年4月24日 7時) (レス) id: d9249ee997 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：loveΣ | 作成日時：2017年3月27日 17時
